子供の習い事の人気調査などで、常に上位にランクインする「ピアノ」。マミオ世代のパパやママの中にも、子供の頃ご自身がピアノを習っていたという方が多いかもしれません。子供が幼稚園や小学校に入園・入学するタイミングで、我が子にもピアノを習わせようか考えたことはありませんか?

 

ピアノと同様に子供に人気の高い習い事である水泳や英語は、子供の体力づくりになったり、語学力がついたりと、容易に説明できるメリットがありますよね。一方で、「楽譜が読める」「音感がつく」などと言われるピアノですが、それが実社会の中でどのように役立つかについて、疑問を持っている方が多いのも事実です。

 

楽器を購入したり、発表会への出演料がかかってしまったりと、何かとお金がかかるイメージのあるピアノ。せっかく子供に習わせるのであれば、その効果をしっかりと把握しておきたいですよね。そんな方にぴったりの本が出版されました。子供にピアノを習わせようかお悩み中の方におすすめの一冊です。

 

 

AI時代最強の子育て戦略「ピアノ習ってます」は武器になる(音楽之友社)

 

本書は、大きく分けて前半と後半の二つのパートに分かれています。

 

前半は、子供がピアノを習うメリットについて、脳科学の観点やさまざまな調査結果からまとめています。冒頭でご紹介したように「楽譜が読める」や「音感がつく」など、音楽に関するメリットはもちろんですが、ほかにも、子供の脳の発達に関してさまざまなメリットがあるということがわかっています。中には、ピアノを習うと、脳細胞が増え、IQが上がるのでは?といった推論も。東大生は、半数以上が子供の頃にピアノを習っていたというアンケート調査もあります(一般的な20代男女の場合、その割合は26%程度)。

 

 

音楽的なセンスが身につくだけでなく、子供の能力向上にもつながるピアノ。こんなにもあるメリットを知ってしまうと、「今すぐ子供にピアノを習わせなければ」と筆者は焦ってしまいました。

 

本書の前半を読んで、まんまと「子供にピアノを習わせよう」という気持ちになった筆者ですが、実は子供をピアノ教室に通わせればそれで万事うまくいくというわけではないのです。後半は、私のように子供にピアノを習わせようと考えている親に向けて、著者の大内氏が考える「ピアノを人生に活かすため」のアドバイスが続きます。

 

子供に合ったピアノ教室の探し方や楽器の選び方、ピアノを習う上で親が気を付けることなど、実践的な内容も含まれます。

 

また、ピアノからつながるさまざまなキャリアについて紹介されている部分も大変参考になります。ピアノを習っていることが、将来的にどんな職業につながっていくのかという見通しを持てることは、今ピアノを習っている子供にとっても大きなモチベーションになるのではないでしょうか。

 

ママライターの感想

筆者は母がピアノの講師をしていたこともあり、5歳からピアノを習い始めました。当たり前のようにピアノを続けていたので、漠然とではありますが、いつか自分の子供にもピアノを習わせようと考えていました。

 

しかし、生まれてきたのは、超活発な男の子たち。とくに長男は、小学校に入学するまでは、家の中で1分でもじっと座っているのが難しいほどの性格。自宅にある電子ピアノの前に座らせても、すぐにボタンで遊び始めてしまったり、好き勝手に鍵盤を押しまくったりするだけで、しっかり練習する様子なんて想像できませんでした。

 

保育園では、3歳を過ぎる頃から、周りのお友達がチラホラと音楽教室に通い出したという話を聞くようになりましたが、「うちはまだ早いかな」と、なかなかタイミングをつかめずにいました。

 

 

そんな長男でしたが、小学校生活に慣れるにつれ、徐々に行動も落ち着くようになりました。小学2年生になり、改めてピアノの前に座らせてみると、驚くほどあっさりと集中できるように。このタイミングで、本書に出会い、ピアノの練習が子供の脳の発達を促すというエビデンスに基づいたメリットを知ってしまったので、我が子にピアノを習わせたいという気持ちがますます強くなりました。

 

本書の最終章では、「子どもがピアノを習う際に親が気を付けるべき5か条」が提案されています。良いことがたくさんあるピアノですが、習い方を間違えてしまうと、期待できる能力が身に付かないどころか、ピアノや音楽自体を嫌いにさせてしまうリスクがあるというのです。私の周りにも、幼少期にピアノを習っていたけれど、レッスンが厳しすぎたなどの理由でピアノが大嫌いになってしまった知り合いがいるので、他人事ではありません。

 

我が家の子供たちのピアノ生活はこれから始まりますが、「音楽を子供の一生の友達にしてあげる」ということをゴールに、親子で楽しみながら歩んでいきたいと思っています。

 

※最近子供につられて私もピアノを練習しているのですが、清塚さんの「Baby god bless you」を弾いています。
とってもきれいな曲ですよね。