未就学児のいるご家庭にとって、子どもを乗せて移動できる「子ども乗せ自転車」は育児の強い味方です。
保育園や幼稚園の送り迎えや買い出し、週末のお出かけのときにも活躍する子ども乗せ自転車は、どのようなポイントに気をつけて購入すれば良いのでしょうか。筆者の実体験も交えて解説します。
子ども乗せ自転車を選ぶときのポイントは?
子ども乗せ自転車を購入するにあたって一番大切なことは、できるだけ具体的に自転車の利用シーンを想像してみることです。
・乗せる子どもの人数、年齢
・利用する頻度
・どこへ行くときに乗るのか
・よく使うルートの高低差
・自転車に乗るときの荷物の量
・親の体力の有無、自転車の運転に慣れているかどうか
ライフスタイルによって、必要な子ども乗せ自転車のタイプが異なります。
安い買い物ではないので、「子どもが何歳になるまで利用する予定か」「その年齢まで問題なく使えそうか」という視点も忘れないようにしましょう。
子ども乗せ自転車の違い
子ども乗せ自転車にはいろいろな種類がありますが、大きな違いは次の3つです。
Contents
一般自転車+チャイルドシート or 専用の子ども乗せ自転車
子どもを自転車に乗せる場合、「一般的な自転車にチャイルドシートをつけて使う」、もしくは「専用の子ども乗せ自転車を使う」方法があります。
一般的な自転車にチャイルドシートをつけて使う場合、以前から乗っていた自転車が利用できることや、子ども乗せ自転車を購入するよりも安価で済むことが多いというメリットがあります。
一方で、子どもを乗せることを前提に作られた自転車ではないので、十分な安全性が確保できない可能性があること、また乗車できる子どもは原則として1人だけに限られるというデメリットもあります。
専用の子ども乗せ自転車であれば、車体の強度やハンドルの操作性などをしっかりと確認して作られていることがほとんどなので、安心感があります。
また、幼児2人同乗用自転車を使えば、子どもを2人乗せることができますし、1人の場合でも買い物をした荷物を置くことができて便利です。
安全性を重視するのであれば、専用の子ども乗せ自転車を利用するのがおすすめです。
電動アシストつき or 電動アシストなし
子ども乗せ自転車は、電動アシストつきタイプが主流ですが、ついていないものもあります。
電動アシストつきのおすすめポイントは、こぎ出しや上り坂がラクになり、荷物が多いときや幼児2人乗せでも運転しやすくなる点です。
一方で、バッテリーがついている分車体が重くなるため、手で押す場合や倒れた車体を起こすときは強い力が必要です。
電動アシストなしのタイプは、アシストつきに比べると軽量で、価格が安いというメリットがあります。一般的に、電動アシストつき自転車が13万円ほどなのに対し、電動アシストなしは5万円ほどです。
自転車の走行距離が長い、坂が多い、乗せる荷物や子どもが多いといった場合には電動アシストつきがおすすめですが、時々しか使わない、平地の移動が多いような場合には、電動アシストがないタイプでもよいでしょう。
前乗せ or 後ろ乗せ
子ども乗せ自転車には、前乗せタイプと後ろ乗せタイプがあります。
前乗せのチャイルドシートは1歳~3歳、後ろ乗せは2歳~6歳が適用年齢となっていることが多いようです。
幼児2人同乗用自転車であれば、前乗せと後ろ乗せのチャイルドシートを両方利用できます。
子どもの年齢や乗せる人数にあわせて、チャイルドシートのタイプを選びましょう。
見落としがちな注意点は?
筆者は「前乗せ」タイプで、「電動アシストなし」の子ども乗せ自転車を買いました。
ベビーカーや抱っこ紐を使うことが多く、週2回程度の利用頻度だったこと、3歳以降(前乗せが使えなくなる時期)になったら歩いて移動するつもりだったことなどが、主な理由です。
住んでいたところが比較的高低差の少ない場所だったこともあり、わが家では価格の安い電動アシストなし自転車でも十分でした。
ただし、購入前にもっと確認しておくべきだったと感じている点が3つあります。
前乗せタイプはひざが当たらないか
前乗せタイプを利用する場合、自転車のサイズや運転する人の身長によっては、こいだときチャイルドシートにひざがぶつかってしまうことがあります。
筆者は近隣にサイクルショップがなく、通販で購入したため、自転車に乗ったときに初めてひざがぶつかりやすいことに気づきました。
通販はデザインのみしか把握することが出来ないですよね。可能であれば、サイクルショップなどで実際に運転をしてみて、自分の身長や体格にあった大きさの自転車を選びたいものです。
駐輪場に停められるサイズかどうか
特にマンションや商業施設の駐輪場に自転車を停める場合は、自転車のサイズをよく確認しておく必要があります。
立体駐輪場では、チャイルドシートの座席が高すぎて上のレールに当たることがありますし、タイヤ幅が太すぎるとレールに入らないこともあります。
筆者が住んでいたマンションには立体駐輪場しかなく、購入した自転車のタイヤ幅はレールに入るギリギリの大きさで、毎回スムーズに駐輪できないのがストレスでした。
自宅や、よく停める場所の駐輪場に問題なく停められるかどうか、購入前に自転車の高さや幅をチェックしておきましょう。
フレームの高さと洋服
フレーム部分に高さがある自転車の場合、乗車時に自転車をまたぐのが難しくなるため、スカートやロングコートで運転をする方には不向きです。
筆者はフレームの位置がやや高めの自転車を選んでしまったため、スカートで運転をしなければならないときはとても不便でした。
普段からスカートや丈の長い洋服を着ることが多い方は、低床設定の自転車を選ぶのがおすすめです。
とってもおしゃれ!おすすめの子ども乗せ自転車は?
現在は、安全性や運転のしやすさだけでなく、デザイン性も高い子ども乗せ自転車がたくさん販売されています。おすすめの自転車をご紹介します。
【ブリヂストン】bikkeシリーズ
出典:ブリヂストン:https://www.bscycle.co.jp/items/e-bicycle/index.html
サドルカバーやハンドルグリップ、チャイルドシートのクッションなど、デザインやカラーを選べるパーツが多いため、自分好みの1台を作れます。
走りながら自動充電されるタイプがあるのも大きな特徴です。
【ヤマハ】PAS unシリーズ
出典:ヤマハ:https://www.yamaha-motor.co.jp/pas/children/
軽量・コンパクトで、小柄な女性でも取り回ししやすい自転車が多くそろっています。
前乗せのチャイルドシートは、子どもの手足まですっぽり包む繭型のタイプもあり、万が一の転倒や接触から赤ちゃんを守ってくれます。
【パナソニック】ギュットシリーズ
出典:Panasonic✖️Combi:http://cycle.panasonic.jp/special/eggconcept/
ベビー用品大手のコンビとコラボレーションして作られているギュットシリーズ。
フレームが低く椅子から乗り降りしやすいタイプや、キーをかばんに入れたままでも自転車を開錠できる車種があるなど、細やかな配慮が行き届いています。
安全を第一に運転しよう
とても便利な子ども乗せ自転車ですが、子どもを乗せた自転車は重たく、転倒や接触といった、思いがけない事故が起こる可能性もあります。抱っこ紐をしたまま自転車に乗っていて事故にあってしまったケースもありましたね。
子どもを自転車に乗せたまま目を離さない、子どもはヘルメットを装着する、段差やすべりやすい場所はなるべく避けるなど、安全を心がけることが大切です。また、雨の日は思ったよりもブレーキがきかないし、マンホールの上などツルツルしている所は滑りやすくなっているので普段よりも注意が必要です。
子ども乗せ自転車があると、徒歩だけの生活に比べて生活圏が大きく広がります。ライフスタイルに合う一台を探して、子どもの安全に配慮しながら、自転車生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。