「魔の二歳児」と呼ばれ、自我の芽生えと共に強烈な自己主張が始まる2歳児。
とにかく何でも自分の思うようにいかなければ、泣いたり暴れたりして反抗するので、「第一次反抗期」や「イヤイヤ期」と表現されることもあります。
子供が急に好き嫌いするようになったり、それまでの規則正しい生活リズムが乱れてしまったりした結果、子供の発育に不安を感じる方も多いかもしれません。
そこで今回は、2歳児の身長と体重について解説していきます。
2歳児の平均身長・平均体重
まず、2歳児の平均身長・平均体重はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省が平成22年度に実施した乳幼児身体発育調査及び日本赤十字社を参考に見ていきましょう。
Contents
男の子の平均身長・平均体重
2歳児の男の子の平均身長と体重は次のとおりです。
2歳児の平均身長(男の子)
2歳 | 平均身長 | -2SD |
0ヶ月 | 85.4 | 79.4 |
1ヶ月 | 86.2 | 80.1 |
2ヶ月 | 86.9 | 80.7 |
3ヶ月 | 87.6 | 81.3 |
4ヶ月 | 88.3 | 81.9 |
5ヶ月 | 88.9 | 82.5 |
6ヶ月 | 89.6 | 83.1 |
7ヶ月 | 90.2 | 83.7 |
8ヶ月 | 90.8 | 84.2 |
9ヶ月 | 91.5 | 84.8 |
10ヶ月 | 92.1 | 85.3 |
11ヶ月 | 92.7 | 85.9 |
参考:日本赤十字社
※-2SD以下は、医学的には低身長と考えられています。お子様の年齢と身長を確認し、-2SD以下の場合は、早めに一度小児科にてご相談されることをお勧めします。
|
低い |
標準 |
高い |
2歳0~6か月未満 |
81.1cm |
86.7cm |
92.5cm |
2歳6~12か月 |
85.2cm |
91.1cm |
97.4cm |
参考:厚生労働省
※表中の「低い」「軽い」「高い」「重い」については、
・ 低い / 軽い:100人中下から3番目に低い / 軽い
・ 高い / 重い:100人中上から3番目に高い / 重い
ということを意味しています。
2歳児の平均体重(男の子)
2歳 | 平均値 | 標準偏差 |
0ヶ月 | 11.6 | 1.2 |
1ヶ月 | 11.8 | 1.2 |
2ヶ月 | 12.0 | 1.2 |
3ヶ月 | 12.1 | 1.3 |
4ヶ月 | 12.3 | 1.3 |
5ヶ月 | 12.5 | 1.3 |
6ヶ月 | 12.7 | 1.3 |
7ヶ月 | 12.8 | 1.3 |
8ヶ月 | 13.0 | 1.4 |
9ヶ月 | 13.2 | 1.4 |
10ヶ月 | 13.3 | 1.4 |
11ヶ月 | 13.5 | 1.5 |
|
軽い |
標準 |
重い |
2歳0~6か月未満 |
10.06kg |
11.93kg |
14.55kg |
2歳6~12か月 |
10.94kg |
12.99kg |
16.01kg |
参考:厚生労働省
女の子の平均身長・平均体重
同様に、2歳児の女の子の平均身長と体重は次のとおりです。
2歳児の平均身長(女の子)
2歳 | 平均身長 | -2SD |
0ヶ月 | 84.3 | 78.4 |
1ヶ月 | 85.0 | 79.1 |
2ヶ月 | 85.7 | 79.7 |
3ヶ月 | 86.4 | 80.3 |
4ヶ月 | 87.1 | 80.9 |
5ヶ月 | 87.7 | 81.5 |
6ヶ月 | 88.4 | 82.1 |
7ヶ月 | 89.0 | 82.6 |
8ヶ月 | 89.6 | 83.2 |
9ヶ月 | 90.4 | 83.8 |
10ヶ月 | 90.9 | 84.3 |
11ヶ月 | 91.6 | 84.9 |
参考:日本赤十字社
※-2SD以下は、医学的には低身長と考えられています。お子様の年齢と身長を確認し、-2SD以下の場合は、早めに一度小児科にてご相談されることをお勧めします。
|
低い |
標準 |
高い |
2歳0~6か月未満 |
87.7cm |
93.8cm |
100.6cm |
2歳6~12か月 |
90.9cm |
97.4cm |
104.5cm |
参考:厚生労働省
2歳児の平均体重(女の子)
2歳 | 平均値 | 標準偏差 |
0ヶ月 | 11.0 | 1.1 |
1ヶ月 | 11.2 | 1.2 |
2ヶ月 | 11.4 | 1.2 |
3ヶ月 | 11.6 | 1.3 |
4ヶ月 | 11.8 | 1.3 |
5ヶ月 | 12.0 | 1.4 |
6ヶ月 | 12.2 | 1.4 |
7ヶ月 | 12.3 | 1.4 |
8ヶ月 | 12.5 | 1.4 |
9ヶ月 | 12.7 | 1.5 |
10ヶ月 | 12.8 | 1.5 |
11ヶ月 | 13.0 | 1.5 |
|
軽い |
標準 |
重い |
2歳0~6か月未満 |
11.04kg |
13.53kg |
16.76kg |
2歳6~12か月 |
11.83kg |
14.56kg |
18.27kg |
参考:厚生労働省
2歳から3歳までに、どのくらい身長や体重が増える?
2歳から3歳になる1年間で、身長や体重はどのくらい増えるのでしょうか。こちらも平成22年度乳幼児身体発育調査の結果を元に見ていきます。
男の子の場合(標準値)
- 1年間で伸びる身長:8cm
- 1年間で増える体重:2kg
女の子の場合(標準値)
- 1年間で伸びる身長:8cm
- 1年間で増える体重:2kg
1歳から2歳までの1年間では、身長が約12cm、体重が約2.6kg増えていたことを考えると、体の成長がぐんとゆるやかになってきたことがわかりますね。
身長が伸びない・体重が増えない、と発育に不安を感じたら?
1歳の頃に比べ、2歳になると発育が比較的穏やかになるため、身長や体重の増え方が気になる方も多いかもしれません。子供の発育状況が標準的かどうか気になる場合は、日常的に子供の身長や体重を計測し、母子手帳の「成長曲線(発育曲線)」ページに記録しておくのがおすすめです。
記録を残しておくと、後から振り返った際に、どういった推移で身長や体重が増えているかということがよく分かります。
子供の成長は個人差があるので、成長曲線から少しくらいはずれていてもあまり問題にならない場合もありますが、以下のような場合は念のため医師に相談してみると良いでしょう。
・成長曲線から大きく離れている場合
・成長曲線からはずれた状態が続いていたり、あるいは、身長や体重の増加が急に止まったり加速したりと、成長の推移に異常がみられる場合
・肥満度が±20%を超える場合
まずは成長曲線(発育曲線)をチェック
発育が標準的かどうかを確認したいときに役立つのが、母子手帳にも掲載されている「成長曲線(発育曲線)」です。
参考:厚生労働省
成長曲線(発育曲線)とは、ある年に測定した子どものデータをもとに、各年齢の身長・体重の平均値をつないで作ったものです。母子手帳の場合は、成長曲線(発育曲線)が帯として描かれています。
この帯の中に身長や体重がおさまっているようでしたら、基本的には問題ありません。
子どもの身長が成長曲線(発育曲線)からはずれている場合は?
子どもの成長は個人差が大きいものですから、成長曲線(発育曲線)に必ず入っていなければならないというわけではありません。とはいえ、平均値から大きく離れている場合は、健康に問題がないか、念のため医師に相談することが望ましい場合もあります。
身長が「-2SD」を下回るかどうかが受診の目安
平均からどれくらい離れているか、というのを表す指標として「SD」というものがあります。
受診の目安となるのは、子どもの身長が「-2SD」を下回っている場合です。「-2SD」とは、100人の同性同年齢の子どものうち、身長が低いほうから2~3番目となる数値です。
2歳児の「-2SD」の身長は次のとおりです。
男の子 | 女の子 | |
2歳0か月 | 79.4cm | 78.4cm |
2歳6か月 | 83.1cm | 82.1cm |
子どもの体重が成長曲線(発育曲線)からはずれている場合は?
体重についても、成長曲線(発育曲線)の帯の中でないからといって、必ずしも問題があるわけではありません。
ただし病気や生活習慣が原因で、太り過ぎ・痩せ過ぎになっていないか、念のために確認した方が良い場合もあります。
乳幼児(1歳〜5歳まで)の場合
「カウプ指数」とは、肥満・やせを判断する指標で、満3か月から5歳の乳児・幼児に対して使われます。
カウプ指数=体重(g)÷(身長(cm)の2乗)× 10 |
【肥満の目安】
近年、肥満のお子さんが増加しています。乳児では 20 以上、1 歳 6 カ月児では 19 以上、3 歳では 18 以上を肥 満の目安としますが、性別や月齢が考慮されていないため、経過を観察する 必要があります。
【やせの目安】
体重が著しく減少した状態です。乳幼児期ではカウプ指数で 15 以下、学童期 では標準体重でマイナス 20%以下の場合を、やせと定義されます。
やせには、先天性心疾患、消化管疾患、甲状腺などの内分泌疾患、代謝異常、 鉄欠乏性貧血、悪性腫瘍などでおこる場合と、ミルクや食事を与えられないなど の悪い養育環境でおこる場合があります。
なお、「標準体重」は以下の計算式で求められます。
・ 男の子:標準体重=0.00206×(身長(cm)×身長(cm))-0.1166×身長(cm)+6.5273
・ 女の子:標準体重=0.00249×(身長(cm)×身長(cm))-0.1858×身長(cm)+9.0360
「カウプ指数」に基づく発育状態の判断基準
参考:福祉教科書 保育士完全合格テキスト
この表では、例えば乳児の「普通」は16~18ですが、実際には15~19の範囲であれば問題がないとする小児科医もいたり、個人差があったりしますので、判断基準はあくまでも目安とされています。
カウプ指数はあくまで満3ヶ月から5歳までの指標で、6歳から12歳までの児童期は肥満度を用いて、肥満・痩身度の指標としています。カウプ指数は、成人のBMIと同じ計算式であり、体型のバランスを知る方法の一つですので、参考にしてみてください。
ママライターの体験談
我が家には男の子が二人います。二人とも0歳の頃から保育園に通っており、子供たちがお世話になっていた保育園では毎月身体測定を行っていました。
我が家の子供たちは平均的な体格なので、身長も体重も常に平均値前後。最初の頃は毎月の身体測定を楽しみにしていましたが、そのうち身体測定結果にはあまり気を留めなくなるようになりました。
そんな時、身長も体重も長男より一回り大きいお友達のママとお話する機会がありました。
そのママは、子供の太りすぎを気にしていて、毎月の身体測定の結果に応じて食事内容を見直しているということでした。その子は背も高いのですが、体重も平均を大きく上回っていたので、ママは「食べさせ過ぎかな?」と常に不安だったようです。とくに、前の月に比べて1㎏以上体重が増えていた月は、少しカロリー制限してみたり、甘いものを控えてみたりと工夫していました。
ママ友の話を聞いて、私も改めて我が子の身体測定結果を見てみたところ、それまで気が付かなかったことに気が付きました。
我が家の子供たちの場合、夏の時期は毎月のように身長は伸びるものの、体重は全く変化がありません。一方、活動量が少なくなる冬の時期は、身長の伸びが緩やかになり、反対に体重が増加していました。1年間の変化だけを見ると、身長も体重も平均的に増加していますが、季節によってその伸び方に変化があったのです。
その変化に気が付いてからは、子供の食事量も季節によって少し調整するようになりました。例えば、夏場はよく動く上に体重はあまり増えないことがわかったので、「少し食べすぎかな?」と思っても、あまり気にしないことにしました。また、カロリーが高めのスポーツ飲料やアイスクリームも食べ過ぎなければOKとしました。
一方、冬場は子供たちも活動量が減るため、夏に比べて食べる量が自然と少なくなります。夏と同じ量を出すと、子供が食事を残してしまうこともありので、ご飯の量は控えめに。また、クリスマスやお正月などには、油断すると親子共々、御馳走を食べ過ぎてしまうこともあります。夏以上に暴飲暴食に気を付けた方が良いという自覚も生まれました。
ママ友にも私が気づいたことを伝えてみたところ、ママ友も「一年間を通して身長や体重の推移を見たことがなかった」と言い、すぐに子供の発育曲線を確認してみたということでした。それまでは、自分の食事の与え方によって子供の体重が増えすぎていたと考えていたようですが、季節的なものかもしれないという考え方が救いになったようです。
我が家の子供たちの発育パターンが、他の子供たち全員に当てはまるわけではありません。しかし、ある一時期だけの発育状況を見るのではなく、時間の流れを追いながら発育の推移を観察することがなぜ大切なのかということに対する一つの答えになるかと思い、ご紹介しました。
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定期的に身体測定を行い、気になることがあれば小児科へ!
ハイハイから歩けるようになり、どんどん活動範囲が広がる1歳児。それに対し、2歳児は自我が強くなり、言葉が出始める時期です。親子の意思疎通ができるようになり、大きな喜びを得られる一方で、トイレトレーニングやイヤイヤ期など、親にとっての試練が重なる時期でもあります。
「バランスの良い食事」や「早寝早起き」は、子供の発育には欠かせない要素です。しかし、子供の成長と共に、こういった規則正しい生活からは程遠い生活になってしまうこともあるでしょう。
子供の成長に不安を感じたら、まずは定期的に身体測定を行い、母子手帳の成長曲線の欄に記入してみましょう。もし子供の成長曲線に異常と思われる様子が見られた場合は、念のため母子手帳を持って小児科で相談してみると良いでしょう。
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