一年を通して、さまざまな行事・イベントがありますが、皆さんは、一年に一度、健康診断を受けているでしょうか。労働安全衛生法により、事業者が健康診断を実施することを義務付けているので、お仕事をされてる方は必ず受けていると思います。
その際、「乳がん検診」や「子宮頚がん検診」の付加検診はどうでしょうか。ピンクリボン活動(乳がんの早期発見、治療を目指す方だ)や、テレビCMで子宮頚がんワクチン接種や検診の呼びかけるなど、日常的に意識する機会も増えてきています。
知ってはいるけど、なんとなく他人事のような気持ちになっている方もいるかもしれません。そのような方々も含め、すべての女性の方に「検診」を強く勧めたいのです。
子宮頚がん検診で異常が・・
私自身、子宮頚がん検診で異常が見つかり、手術を受けました。経験者として、これまでの経緯について詳しくお話したいと思います。
子宮頚がんのほとんどは、「ヒトパピローマウィルス(HPV)というウィルス感染が原因です。ウィルス感染しても90%の人免疫力で自然に排除されるのですが、HPV感染が長期間持続し、自然治癒しない場合、「異形成」とよばれる前がん病変を経て、数年以上かけて子宮頚がんに進行していきます。
前がん病変(高度異形成)→上皮内がん→微小浸潤がん→浸潤がん(5年〜10年かかるともいわれています)
私の場合、最初の検査で異常が見つかってから手術に至るまで、4年ほどありました。
婦人科への受診は、当初、別の理由によるものでした。
手術までの経緯
・体の不調が続き更年期を疑い婦人科を受診
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・血液検査などと併せて子宮頚がん検診も受ける
(次女出産から検診を受けておらず6年が経過していた)
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・「細胞診」(綿棒のようなもので子宮内の粘膜をこすり取り検査する)
痛みはほとんどなく、数分で終了
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・検査結果(1ヶ月後)
異形成の疑いあり
詳しい判断はできないが、初期段階の異形成とのこと
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・「組織診」(子宮内の組織をつまみ取り詳しく検査する)
若干痛みはあるが、時間は細胞診とほとんど変わらない
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・検査結果(2週間後)
異常なし
今回は異常が見つからなかったが、定期的に検査が必要になる
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・3ヶ月ごとに細胞診
2回の検診で異常なしとなり、次回は半年後
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・半年後に細胞診
異常なし
定期的な検査で異常がなかったため、1年に1回の検診となる
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・健康診断と併せて子宮頚がん検診を受ける
(健康診断の時期の関係で、最後の婦人科受診から1年半後の検査)
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・異常なし
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・健康診断(1年後、前回とは違う医療機関を受診)
↓
・検査結果
要精密検査(高度異形成の疑いあり)
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・手術の可能性もあるため、紹介状を出してもらい、総合病院にて組織診
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・検査結果(2週間後)
高度異形成〜上皮内がん
要手術の診断
このような経緯に、最初はとても信じられない気持ちでした。定期検査では異常が見つからず、前年の検診では異常なしだったにも関わらず、1年後には手術が必要な状態になっていたことに、今までの検診を疑ってしまいました。ただ、主治医の先生によると「検査する箇所によって、異常が見つからない場合もあり、 採取する箇所が数cm違うだけで、異常なしの結果が出てしまうこともある」といいます。だから「見つかってよかったです。」と言われました。
検査結果から入院・手術まで
検査を結果を聞いたその日に、手術の日程を決めることになりました。
最短で3週間後、即、予約を入れました。
手術:「子宮頸部円錐切除」
子宮の入り口付近のみ部分的に切除する
手術時間:30分〜40分(全身麻酔のため終了までは数時間)
入院期間:4日間
自宅療養期間:1週間
このような説明を受けて、家族同意のもと、入院・手術となったのです。初めての入院(出産以外で)に不安もありましたが、入院まで、食事制限などがなかったので、いつも通り過ごすことができました。術後、翌日からは歩くことが可能になり、翌々日にはシャワーも許可されました。
私の場合は、術後の痛みはほとんどなく、日常生活に困ることもありませんでした。(入院中、麻酔が切れてからの頭痛、吐き気の方が一番辛かったです)その後、病理検査の結果、異形成細胞は除去され、浸潤していないことを確認。今現在は、定期的に検診を続けているところです。
最後に、皆さんへ伝えたいこと
ふり返ってみると、精密検査が必要になり、結果が出るまでの間が一番不安だったように思います。毎日、そのことが頭から離れず、最悪の事態を考えてしまう。入院となったら、子供たちは?仕事は?お金は?どうすればいいのか…と頭の中を廻る日々でした。検査結果を聞かされた時は、多少のショックはあったものの、わかってすっきりしたのも事実です。
自分の置かれている状況を理解して、できることをやるだけだ…と覚悟ができました。今、強く思うのは「自分の健康を守ることが、子どもを守ることになる」ということ。4日間の入院でも、小学生の次女は情緒不安定となり、私がいない間は毎日泣いていたようです。それがもし、1ヶ月、半年、と長期入院になってしまったら…想像するだけで辛くなります。
定期的に検診を受けていれば、早期発見につながります。早期に発見できれば、たとえ入院、手術になったとしても、自分自身の心と体の負担、なにより大事な家族の負担も軽くすみます。さまざまなケースがあり、私のように定期的に検診を受けていても、なかなか見つからない場合もあるかもしれません。けれど検診を受けていなければ、絶対に見つかりません。季節の行事や記念日と同じように、自分自身の体を守るための日をぜひ作ってください。