出産を控えたプレママの頭を悩ますのが「どこで産むか」という問題。出産とその後の赤ちゃんとの生活を、より快適に安心して過ごすためには、両親が近くにいることで協力してもらいやすい里帰り出産か、それとも自分のペースで生活ができる自宅出産のどちらを選べばよいのでしょうか。

 

筆者は、長男の時は里帰り出産、次男の時は自宅出産を選びました。

 

今回はそれらの体験をふまえて、里帰り出産と自宅出産それぞれのメリットとデメリットを比較し、「どこで産むか」という問題を検討するときに考えるべきポイントをまとめてみました。

 

 

 

ママライターの「里帰り出産」体験談

 

 

私が長男出産時に里帰り出産を選んだ理由は、初めての妊婦生活と出産でとにかく不安感が大きかったから。出産や育児の先輩である母のサポートを期待し、里帰り出産を選びました。

 

また、高校を卒業して以来なかなかゆっくり帰省できていなかった地元に、少しのんびり滞在したいという気持ちもありました。地元の友達は出産経験者が多かったので、久しぶりに再会したり先輩ママとしての経験談を聞いたりできれば良いなという気持ちも。

 

 

【産前】実母に家事を任せ、のんびり生活を満喫!

 

臨月直前の34週に飛行機で実家に帰りました。大きなお腹での移動は大変でしたが、無事到着。38週で出産予定日までの約4週間は、かなりのんびりした時間を過ごしました。分娩予定日までの間、毎日の家事は母におまかせで、私は三食昼寝付き。散歩したり日記を書いたりしていました。

 

 

【出産と入院中】家族の付き添いで不安も軽減

 

今まで妊婦検診を行なっていた産婦人科と、実際に分娩をする病院が違うので少し心配していました。出産は緊急帝王切開手術になりましたが、母や兄弟が付き添ってくれたおかげで不安もなかったです。手際のよい母は、入院中もテキパキとサポートしてくれました。同居している弟も何かと気を使ってくれ、母が不在時もアレコレと気を回してくれました。

 

 

【産後】実親でも自分のペースで過ごせないことに精神的ストレスが…

 

退院後しばらくし、体調も回復してくると、段々と自分のペースで生活したくなります。しかし、実家での生活は基本的に父と母が中心。どこに行くにも親に車で連れて行ってもらう必要があり、なかなか自由がきかず、少し窮屈に感じるようになりました。また、新生児のお世話やホルモンバランスの乱れなどで精神的にもストレスがたまり、最後は「早く自分の家に帰りたい」と思う程まで追い詰められていました。

 

我が家の場合、実家から自宅に帰るためには飛行機で移動する必要があり、そのため一般的な里帰り出産よりも長く実家に滞在していたというのも原因だったと思います。結局赤ちゃんの100日のお祝いを終えるまで実家にお世話になりました。

 

 

 

里帰り出産のメリット・デメリット


 

精神的に波乱万丈だった私の里帰り出産を振り返り、私が考える里帰り出産のメリットとデメリットをまとめてみました。

 

<メリット>

・母や兄弟などからのサポートが得られる

・育児と自分の体調管理に集中できる

・自分の親と赤ちゃんの誕生の幸せを共有できる

・地元の友達と再会できる

 

<デメリット>

・慣れない環境がストレスになることもある

・親と喧嘩してしまい関係がぎくしゃくする場合もある

・夫婦で赤ちゃんの誕生を共有しにくい

・産前産後の移動が大変、産院が変わるから不安

 

里帰り出産を選ぶ場合は、親に頼らずにある程度自立した生活を送ることができるか、というのは一つの大きなポイントとなります。私の実家は車がないとなかなか生活できないような田舎町なので、ペーパードライバーの私は特に自宅に引きこもりがちになってしまい、自由に色々なところに出かけられない点がとてもストレスでした。しかし、利便性の良い地域だったり、自分でも車を自由に運転できるような環境だったりすると、程よく外出でき、ストレス発散できるかもしれません。

 

自宅と里帰り先との距離感も重要なポイント。我が家の場合は飛行機移動だったため、夫はなかなか赤ちゃんに会えず、成長を共感することが難しかったです。しかし、車で数時間などの近距離の場合、夫が頻繁に訪れることが可能になります。そうすれば夫婦で新生児期の赤ちゃんのお世話をすることもでき、絆が深まると思います。また、産後早い段階で自宅に戻ることも可能になります。

 

 

 

 

ママライターの「自宅出産」体験記

 

 

既に保育園に通っていた長男のために、次男の出産は自宅出産を選びました。夫は出産当日くらいしか会社を休むことができないため、産後は実母と義母に頼ることに。有難いことに二人とも日程を調整して二週間ずつ手伝いに来てくれることになりました。

 

 

【産前】数日前から義母に手助けをもらった!

 

予定帝王切開だったので、手術の数日前までに義母に来てもらい、長男の保育園への送迎や買い物などを一緒にやってもらいました。私が入院する前に自宅や自宅周りの環境に慣れてもらう時間を作ったことは良かったと思います。二回目の出産だったので、私自身は出産や産後の生活についての不安は少なく、この時期はとにかく義母への申し送りのために時間をかけました。

 

 

【出産と入院中】二人目にして、夫は初めての新生児でオドオド…

 

自宅から産院まではタクシーで10分程度。ほぼ毎日のように夫や長男が会いに来てくれたので賑やかでした。長男の出産には立ち会えなかった夫にしてみれば、生まれたばかりの赤ちゃんと触れ合うのは初めて。二人目なのに新米パパのようにオドオドしていたのが印象的でした。退院時は夫に迎えに来てもらったのですが、何もかも手際が悪く、かなりイライラした思い出があります。

 

 

【産後】二人育児につらい時期も、実母の協力と自宅だから乗り切れた!

 

自宅に帰宅した途端、当時2歳だった長男のひどい赤ちゃん返りがスタート。長男が家にいる間は、授乳以外は次男のお世話を母に任せ、私は長男のお相手をしていました。精神的にかなりつらい時期でしたが、勝手がわかる自宅だったからこそ乗り切れたのかもしれません。

 

 

 

 icon-thumbs-o-up 自宅出産のメリットとデメリット


 

実母と義母に支えられながら乗り切った自宅出産を振り返り、私が考える自宅出産のメリットとデメリットをまとめてみました。

 

<メリット>

・自分の家なので落ち着く、産後の生活がイメージしやすい

・親との程よい距離感を保つことができる

・夫婦で赤ちゃんの誕生を共有し、喜びも苦労も分かち合える

・産院が変わらないから安心

 

<デメリット>

・親が通いながらサポートしてくれる場合、通うのが大変

・親にとっては他人の家なので、勝手がわからず親の負担が大きい

・親からのサポートを得られない場合、産後すぐ家事をやらなければならなく、体への負担が大きい

・親からのサポートがない場合、赤ちゃんと二人きりになる時間が長く、孤独感を感じやすい

 

自宅出産の場合は、夫や母親など、フルタイムでサポートしてくれる大人がいるかどうかという点が大きな判断材料になります。我が家の場合は義母と実母の二人が予定を調整し、合わせて約1か月の間サポートしてくれたので、とても快適に過ごすことができました。親や夫のサポートが期待できない場合は、行政の産後ヘルパー制度を活用するという方法もあります。

 

親の負担を軽減するために、我が家で工夫したことは二つあります。一つ目は金銭面での配慮。交通費はもちろん、日々の生活費についても金銭的な負担は絶対にかけないようにお財布を渡し、買い物などで必要な分はそこから出してもらうようにしました。二つ目は何ごとも目に見える形にしたこと。長男の保育園の準備や送迎に関しての決まり事などは、ノートにまとめてわかりやすいように書きとめておきました。また子供たちの収納ケースには細かくラベルを貼り、どこに何が入っているのかわかりやすいように工夫しました。

 

 

 

里帰り出産と自宅出産か悩んだら、自分の優先したいことを考えて

 

 

里帰り出産と自宅出産、どちらにもそれぞれメリットがあります。選ぶのに悩んだ時は「何を優先したいか」をポイントに考えてみてはいかがでしょうか。

 

一方でどちらの出産方法にもデメリットはありますが、事前の準備や工夫次第で克服することは可能ですよ。