日本では昔から、赤ちゃんをおんぶしながら育児をしてきました。

おんぶは両手が空いて便利そうな反面、「正しいおんぶの方法がわからない」「赤ちゃんの様子が見えなくて不安」と敬遠する方も多いようです。

 

そこで今回は赤ちゃんのおんぶについて、スタートできる時期やメリット、コツなどを解説します。

 

赤ちゃんのおんぶはいつからできる?

 

 

おんぶは、一般的には生後4か月ごろ、しっかりと首がすわったら可能です。

 

「首がすわる」とは、赤ちゃんの後頭部を手で支えなくてもグラグラしなくなる状態のこと。首がすわったかどうかの判断に自信が持てない場合は、健診などでお医者さんに確認しておくと安心です。

 

首すわり前におんぶをしてしまうと、背負ったときに赤ちゃんの首が安定せず、事故につながる可能性もあります。首がすわるまでは抱っこで過ごしましょう。

 

また、おんぶ紐の種類によって使用可能年齢は異なります。特に抱っこ・おんぶ兼用のタイプは、生後6か月からとなっていることもあるので、よく確認してみてくださいね。

 

 

 

おんぶのメリット

 

 

おんぶには、主に次のようなメリットがあります。

 

 

両手が空く

 

パパやママの両手が空くため、掃除や料理などの作業がしやすくなります。

 

 

赤ちゃんの視界が広がる

 

抱っこと異なり、赤ちゃんはパパやママの肩ごしに前を向けるので、視界が広がり退屈しにくくなります。

 

また、目に入る情報量が増えるため、赤ちゃんの脳に良い刺激が与えられるともいわれています。

 

 

密着感があり安心できる

 

おんぶは背中にぴったりと赤ちゃんがはりつくため、赤ちゃんが安定しやすく、親の動きを妨げにくいという利点があります。

 

赤ちゃんも、密着感があり安心できるのか、おんぶだとよく眠るという子も多いようです。

 

 

親の体に負担がかかりにくい

 

おんぶをすると、体の中心で赤ちゃんを支えられます。抱っこよりもラクに赤ちゃんを運べるので、親の体への負担を和らげられるのです。

 

 

 

おんぶ紐の種類

 

 

おんぶ紐には、大きく分けて次のような3つの種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分のライフスタイルに合ったものを使いましょう。

 

抱っこ・おんぶ兼用

 

抱っこにもおんぶにも使える兼用タイプです。人気のエルゴベビーもこれに当たります。

 

どちらにも使えて便利なのですが、新生児の時期はインサートが必要だったり、おんぶは生後6か月以降にならないとできなかったりと、使用に制限がつく場合があります。

 

 

おんぶ専用

 

おんぶだけが可能なタイプです。昭和に活躍した昔ながらのおんぶ紐を、現在的な色柄の布を使って作ったものが多数売られていて、人気があります。

 

首がすわるとすぐに使えるものが多いこと、子どもを高い位置で背負いやすいというメリットがあります。

 

一方で、胸元で紐を結ぶのが気になるという方や、赤ちゃんが重くなってくると腰に負担を感じる方もいるようです。

 

 

一枚布タイプ

 

さらしや兵児帯を使っておんぶをすることもできます。

 

パパやママ、赤ちゃんのサイズに合わせて自由に大きさを調整できるため、いつでも最適な位置で赤ちゃんを支えられます。

 

ただし、長い布を自分と赤ちゃんに巻かなければならないので、練習が必要なことや、外出先でパッと使うのが難しいというデメリットがあります。

 

 

 

おんぶのコツ

 

 

抱っこに比べると、おんぶは難しいというイメージを持っている方も多いようです。安全におんぶをするコツをご紹介します。

 

重心はなるべく高い位置に保つ

 

腰の方に重心が寄ってしまうと、重さを感じやすく、全身に負担がかかります。

 

赤ちゃんをおんぶするときは、重心をなるべく高い位置に保つようにしましょう。赤ちゃんの顔は、親が肩ごしに様子をのぞきこめる高さにあるのが理想的です。

 

 

股関節はM字になるように

 

特に月齢の低い赤ちゃんをおんぶするときは、股関節がしっかりとM字に開いている状態を保つ必要があります。

 

不自然に足が伸びた姿勢でおんぶをすると、股関節脱臼を起こすおそれがあるので注意が必要です。

 

 

赤ちゃんの落下や接触に注意

 

抱っこに比べると、おんぶのときは赤ちゃんに目が行き届きにくくなります。

 

紐がゆるんで赤ちゃんが落下したり、赤ちゃんの頭や手足が家具や扉などにぶつかったりしないように、十分気をつけましょう。

 

 

赤ちゃんの様子をこまめに確認

 

おんぶをすると両手が空き、自由に動きやすくなるため、つい用事を済ませることに熱中してしまうことがあります。

 

肩ごしに顔をのぞいたり、鏡を使ったりして、変わった様子はないか赤ちゃんの状態をこまめに確認することが大切です。

 

 

 

筆者は一枚布タイプを活用していました!

 

 

筆者は抱っこ・おんぶ兼用のタイプと、一枚布タイプを使い分けていました。

 

抱っこ・おんぶ兼用タイプは、主に自宅で家事をするときに使っていました。肩や腰を支える部分に十分な厚みがあり、赤ちゃんの頭を支えるカバーもついていたので便利でした。

 

一枚布タイプは、軽くて小さく、かばんに入れっぱなしにできる点が気に入っていました。おんぶをするときに多少時間がかかることが難点でしたが、慣れてしまえば1分ほどで背負えるようになりました。

 

赤ちゃんを一枚布でおんぶするのは難しそう、と感じる方も多いかもしれません。確かに手順とコツを覚えるまで少し手間はかかりましたが、

 

・着ている洋服の厚みに左右されない

・赤ちゃんの顔の位置が高くなるので様子を確認しやすい

・一枚布なので、赤ちゃんの肌かけや防寒にも使える

 

といったメリットもあり、筆者は重宝していました。

 

緊急時には大人をおんぶすることもできるので、筆者は今でも防災用バッグに入れています。

 

一枚布でのおんぶのしかたは、動画でもアップされていますし、直接教えてくれる教室やお店もあるので、興味のある方は探してみてくださいね。

 

 

 

おんぶは親にも子どもにも良いことがいっぱい!

 

 

おんぶができるようになると、家事やお出かけもずいぶんラクになります。

 

筆者の長女は、抱っこしていないとすぐ起きてしまう子だったので、首がすわっておんぶができるようになったときは「これでやっと家事ができる!」と喜んだものです。

 

また、抱っこに比べるとおんぶは体への負担感が少ないので、旅行のときもよく子どもを背負っていました。普段よりも視界が高く・広くなるのがうれしいのか、おんぶをしているときは子どもの機嫌も良好でした。

 

ママやパパにも、そして赤ちゃんにもメリットの大きい「おんぶ」、ぜひ積極的に育児に取り入れてみてはいかがでしょうか。