「子どもの教育にはお金がかかる」とよくいわれます。子どもの進学資金にするため、毎月少しずつお金をためているというご家庭も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子どもの教育費は実際どの程度かかるものなのか、またどのような貯め方があるのかを紹介します。
教育費ってどのくらい必要?
子ども1人を大学まで進学させたい場合、どの程度のお金が必要なのでしょうか。
高校卒業まで平均540万円
文部科学省が発表した「子供の学習費調査」によると、幼稚園3歳から高等学校3学年卒業までの15年間、全て公立に通った場合の学習費総額(保護者が子供の学校教育及び学校外活動のために支出した経費の総額)は、およそ540万円です。
大学進学におよそ500万円
また、日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」によると、国公立大学に4年間在学すると、500万円ほど必要になるようです。私立大学の場合はもっと費用がかかることになります。
そのため、最近では奨学金を利用する家庭も増えているようです。
子供一人につき1,000万円必要
つまり、幼稚園から大学まで全て公立だったとしても、子ども1人につき約1,000万円。私立校へ通ったり、大学で1人暮らしをしたりすれば、これ以上のお金が必要ということです。
参考:
毎月いくら貯蓄すればいい?
「子ども1人につき1,000万円」とは、気が遠くなるような金額です。
特に大学進学の時期は、入学金や初年度の授業料など、一気に支出が増えます。そのときにそなえて、計画的に貯金をしておく必要があります。
一般的に、大学進学前に貯めておきたいといわれる300万円を、子どもが生まれてから入学までの19年間で貯めるとすると、毎月約1.3万円貯金する必要があります。
大学在学中に必要な約500万円を目標にするなら、月々の貯金額は約2.2万円です。
実際には、子どもが大きくなるほどそのときに必要な教育費も上がるため、子どもが小さいうちに多めに貯金しておくのが望ましいでしょう。
学資保険を利用する
教育資金を貯めるには、いくつかの方法があります。よく知られている方法の1つが、学資保険を利用するものです。
学資保険は、学校の入学時期などに祝金や満期保険金を受け取ることができる、貯蓄型の保険です。
大きなメリットは、契約期間中に契約者である親が亡くなった場合、その後の支払いは免除され、かつ祝金や保険金をもらえる点にあります。
保険金を支払い続ける必要があるため、貯蓄の強制力があるという点も、多くの親に指示されているポイントでしょう。
一方で、現在販売されている学資保険の多くは、あまり利回りや返戻率が良いとはいえず、中途解約などの理由で元本割れをするリスクもあります。
商品のメリット・デメリットをよく理解した上で、保険加入を検討する必要があるでしょう。
子ども名義の預金口座に貯める
家計と分けて管理しやすいことから、子ども名義の預金通帳を作ってそこにお祝い金やお年玉で頂いたお金を貯めている、という方も多いようです。
どのくらいお金が貯まったか把握しやすく、必要なときに子どもにも渡しやすいため便利なのですが、注意点もあります。
1つは、子どもが成人すると、親権者でも委任状がなければお金の引き出しができなくなるということ。
もう1つは、金額や用途によっては財産分与とみなされ、贈与税がかかる場合があることです。
基本的に、生活費や教育費として必要な都度、直接これらに充てるためのお金には贈与税がかかりません。
ただし、子どもが受け取ったお金を預金したり、株式や不動産などの買入資金にあてたりする場合は、渡すお金が年間110万円を超えると、原則として贈与税を支払う必要がありますので注意しましょう。
ジュニアNISAで運用する
ただ貯めるだけでなく、教育資金が必要になるときまでは、運用して利益を得たいという方もいるかもしれません。
子どもの名義で運用をしたい場合は、ジュニアNISAという制度を利用すると節税につながります。
ジュニアNISAは、0歳から19歳の未成年を対象として、株式・投資信託などから得られる配当金(分配金)や譲渡益が非課税となる制度。投資額の上限は、毎年80万円です。
通常、投資によって得られた利益には約20%の税金がかかりますが、ジュニアNISAを使えば非課税となるため、その分お得になります。
ただしジュニアNISAは、子どもが18歳になるまで原則として払い出しができません。
そのため、大学入学よりも早くお金が必要になったときには、別で資金を用立てる必要があります。
自由にお金を引き出したい場合は、子ども名義のジュニアNISAではなく、親名義のNISAを利用するなど、他の方法を検討した方が良いでしょう。
わが家の教育資金の貯め方
わが家にも2人の娘がいるため、複数の手段を組み合わせて教育資金を貯めています。
長女が生まれたときに、受取総額が200万円ほどになる学資保険をかけました。子どもが小さいうちに貯めておきたかったので、保険料の払込期間を10年と短く設定しています。
次女が生まれたときは、学資保険で気に入るものを見つけられず、代わりに生命保険の終身保険に入りました。保険料払込期間後に解約すれば、およそ200万円が解約返戻金として戻ってきます。こちらも、保険料の払込期間は10年にしています。
また、子どもが0歳から15歳までの間に受け取ることができる児童手当は、全て子ども名義の銀行口座に貯めています。15年間分を全て貯蓄できれば、1人あたり総額でおよそ200万円になります。
さらに、子どもがもらったお年玉や、進学時に親族などから頂いたお祝い金の一部を使い、子どもも知っている会社の株を買って運用しています。
教育資金を効率的に増やすことはもちろん、子どものマネーリテラシー教育の一環としても役立っていますよ。
無理のない教育資金計画を立てよう!
子どもの教育には多額のお金がかかります。
そのため、「いつまでに」「いくら貯める」という目標を立てて、子どもが小さいうちからコツコツと準備しておくことが大切です。
比較的に学費がかからない保育園・幼稚園〜小学生までの間になるべく貯蓄していきたいものですね。ボーナスなどまとまったお金が入った時は、住宅ローンや車のローンなどについつい回してしまいがち。今回ご紹介した内容を参考にしながら、教育資金計画を立ててみてくださいね。