子供は3歳を過ぎるころから大人のやることに興味を持ち始め、なんでも「やりたい!」と真似したがります。
簡単な洗濯物をたたんだり、身の回りの掃除やお風呂掃除なら気軽に手伝わせることもできますが、火や包丁を使う台所仕事の場合、話は別です。
危険はものに触れさせずに、どう子供の気持ちを汲み取ってあげればよいか、悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。また、忙しい時間帯には、子供の自己主張に付き合っていられないと感じることもありますよね。
子供にとっての「台所のお手伝い」は、包丁を握ったり、コンロで火を使った調理をしたりといった本格的な料理だけではありません。
野菜の皮を剥いたり、味付けをしたりというちょっとしたお手伝いでも、子供は満足してくれることもあります。台所仕事のお手伝いは食育にもなる上に、将来的な自立の促進にもつながります。
今回はそんなお手伝いデビューにぴったりな小さなお手伝いについて、我が家の取り組みをご紹介します。
お手伝いデビューのポイント
▲画用紙で作ったコック帽をかぶってお手伝い
お手伝いの内容をご紹介する前に、小さな子供にお手伝いさせるときのポイントをまとめておきます。これは、私が試行錯誤しながら長男にお手伝いをさせてきた中で気づいたことです。
やり方を教えた後は、子供にまかせる
「自分でできた!」という達成感は何にも代えがたい、お手伝いのご褒美です。そのためには、子供が自分で作業したという実感が必要です。最後まで子供の手でやり遂げられるように、手出しは極力しないようにします。多少不格好な仕上がりでも、後で親が直してあげればよいので、子供が自分で頑張っている間は、黙ってまかせます。
しっかりと横で見守る
簡単な作業なら、子供が何度か経験を重ねるうちに、自分でやり方を覚えてできるようになるかもしれません。しかし、「あとはよろしくね」と子供に丸投げすると、うまくいきません。すぐに飽きてしまったり、途中から雑になってしまったりします。どんなに簡単な作業でもお手伝いは仕事だという意識を持ってもらいたいですよね。しっかりと横で見守りながら、時には指導したり、褒めてあげたりして、子供の作業をサポートします。
我が家の長男は、調子に乗るとすぐ悪ふざけをします。少し目を離すと、食べ物で遊んでしまうこともあるので、そういう場合はすぐに注意します。お手伝いは楽しいけれど、遊びではないということも教えます。
お手伝いの結果を共有する
野菜の皮むきのお手伝いをしてもらったなら、その野菜がどの料理に使われているのかを、食事中に家族で共有します。自分がおこなった作業が、結果としてどんな料理に使われたのか、子供に知ってもらうためです。また、家族みんなから感謝される機会にもなるので、ぜひ兄弟児やパパの前で褒めてあげると良いと思います。
お手伝いデビューにおすすめの「野菜や果物の下処理」
にんじんや玉ねぎの皮むきは、小さな子供でも簡単にできるおすすめの作業です。
ピーラーを使う皮むきでも、大根やジャガイモは野菜自体を固定しておくのにコツが必要で、小さい子供には難易度が高め。にんじんなら何度か練習すればすぐにうまくできるようになりますよ。
意外と楽しいのはそら豆やとうもろこし。そら豆の皮の内側はフワフワしたベッドのようになっています。
とうもろこしは、皮やひげがどのように重なっているのか、実際に自分の手で剥いてみないとわかりません。
色々な手触りを体験し、その仕組みを理解できるのもお手伝いの醍醐味ですよね。
▲いちごジャム作りのため、いちごのヘタを取ってもらいました。
お手伝いデビューにおすすめの「トッピング」
サラダにドレッシングをかけたり、塩・胡椒で味付けをしたり、またはデザートのケーキやヨーグルトにトッピングを乗せたりという仕上げ作業は、食卓テーブルでおこなうことができるので、小さな子供にもぴったりのお手伝いです。
我が家の長男の最初のお手伝いは食後のヨーグルト作りでした。
作ると言っても、器に盛り付けたヨーグルトにバナナやブルーベリーなどをトッピングするだけの簡単作業。
しかし、本人としては「一人でもできる!」と達成感を感じられるお気に入りのお手伝いだったようです。
ほかにも、器に盛り付けたアイスクリームにフルーツやビスケットを盛り付けて、自家製パフェを作ったり、ご飯にゴマやもみのりなどをかけて自家製ふりかけを作ったりと、「かける」だけの作業でも子供なりにいろいろと楽しんでいます。
▲クリスマスケーキにチョコスプレーを振りかけるのが楽しい
いつかご飯を作ってくれる日を夢見ながら…
今日も小さなお手伝いで子供のやる気スイッチを押しています !!
▲サラダは豪快に手で混ぜます。
子供のお手伝いには良いことばかりではありません。子供が熱い鍋を触ってやけどしてしまったこともありますし、包丁に手が届きそうでヒヤっとしたこともあります。
しかし、今面倒でも、あと何年かするとしっかりと料理の腕が身についているかもしれないと思うと頑張れます。いつか、息子たちに食事を作ってもらう日を夢見ながら、今日も子供たちの「お手伝いしたい!」の声に、いかに楽に安全に応えられるか、頭を悩ませています。