自由遊びが生活のほとんどをしめる幼稚園や保育園に比べ、いよいよ教育に軸を置いた活動が始まるのが小学校。小学校への入学は、子供たちの自立の第一歩でもあります。

 

学校という社会の中で、子供たちはそれぞれ新しい世界を見つけていきます。楽しみが広がる一方で「勉強についていける?」「友達はできる?」など、親としてはいろいろ心配になってしまいますよね。

 

そこで今回は、いまから入学式までの半年間でできる「小1の壁」対策について調査しつつ、国が示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」や2020年に新たにスタートする学習指導要領についても解説します。

 

ツイッターで「#小1の壁」を調査

ワーキングマザーが、子供の小学校入学を機に、今まで以上に働き方に悩まされたり、仕事を退職せざるをえなくなったりする現象を表現した「小1の壁」という言葉があります。

 

私が先輩ママから聞いたりインターネットで調べたりした話を集約すると、「小1の壁」が意味するところは「子供が小学校に入学すると楽になるというのは一概にそうとは言えない。むしろ親は今まで以上に子供のために時間を割く必要が出てくる場合もある。」と理解しています。

  

保育園に比べ学童保育の預かり時間は短く、その分、親は勤務時間をなんとか調整しなければなりません。学校行事の振替休日や長期休暇でのお弁当の準備に加え、子供の学習面や精神面でのケアなど「小1の壁」の内容はさまざまです。

 

全て対策したから万全というわけでもなく、子供一人ひとりの性格や環境によって、壁と感じることも変わってくるのが難しいところ。また、一つ解決してもまた新たな課題が湧き出てくるというように、分厚く、何重にもなっているのが「小1の壁」の特徴と言えます。

 


 

 

さて、そんな中でいま静かな盛り上がりを見せているのがツイッター界での「#小1の壁」というハッシュタグ。これまで「小1の壁」は「乗り越えられなかった」「こんなところがつらかった」というように過去に対して使われていた言葉でしたが、今ツイッターでは「こんな準備をしておくと良い」というように「小1の壁」を乗り越えたママたちから、これから壁に立ち向かう後進ママたちへの激励メッセージとして発信されているのです。

これらの中から、

 

参考にしたいツイートはこちら

 

① 「学童行かずに勝手に帰ってきちゃう」「学校からの連絡がわかりにくい(お便り地獄)」

https://twitter.com/Pepo_Yama/status/1178686327207776257

それまでは、どこに行くにも親と一緒に出かけていたので、いきなり一人で登下校させることに不安を感じずにはいられませんよね。なかには、こちらのツイート主のお子さんのように勝手に帰ってきちゃうというハプニングも!しかし2学期には落ち着いたということなので、何ごとも慣れなのかもしれません。

  

 

② 「トイレットペーパーやサランラップの芯、牛乳パックはいくつかストックがあると○」

https://twitter.com/ikujihataihen/status/1176687293739913217

トイレットペーパーの芯などは、図工の授業などで必要になるそう。急に「明日必要なの!」と子供に泣きつかれたときのために、今からストックしておくと安心ですね!

 

 

③ 「夏休み(約1ヶ月)をどう乗り越えるか、今から考えておくといいです」

https://twitter.com/ikujihataihen/status/1176687294704570369

長期休暇は学童を頼る保護者も多いと思いますが、解決策はそれだけではありません。私の知り合いのママ友からは、夫婦で夏休みをずらして取得し、子供たちが家で過ごせる時間を長く確保したというアイデアを聞きました。子供の性格を考えた上で、家族でお互い工夫できると、思い出深いお休みになりそうです。

 

  

④ 「学校公開や公設学童に子供と一緒に見学に行って、イメージを共有する」

https://twitter.com/aona_13/status/1176661127968591872

何ごとも無知は不安を招きます。親も子供も事前にイメージトレーニングできると良いですよね。

 

  

⑤ 「我が家は校門を通過した時に親にメールが届く見守りシステム(課金制)にかなり助けられてます。」

https://twitter.com/tabi_kiroku/status/1176643597220769792

現代ならではのテクノロジー活用術。防犯面にも気を付けたいものです。

 

 

⑥ 「上履きの汚れがハンパない」

https://twitter.com/caca_san/status/1177007329595707392

裸足で過ごすことの多い保育園に比べ、上履き問題は小学校ならでは!ウタマロ石鹸やオキシクリーンなど、今から洗剤を研究しておくと良いかも!?

 

 

幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿

 

これまで紹介してきたのは、親目線での対策ですが、実は国も「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」というタイトルで、幼児教育のゴールを示していることをご存知でしょうか?

 

平成30年度4月に、文部科学省の「幼稚園教育要領」、厚生労働省の「保育所保育指針」、内閣府の「幼保連携型認定こども園 教育・保育要領」が改定されました。

 

2019年に放送されたNHKすくすく子育ての番組内では、『幼稚園・保育園・こども園、それぞれに「3歳からは同じ教育」の機能があることや、「子ども主体の学びが重要」であること、そして「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が示されています。

 

「10の姿」が、幼稚園・保育園・こども園にとって、共通の新しい指針となったのです。』と解説されました。

http://www.nhk.or.jp/sukusuku/p2018/767.html

 

 

その10の姿は以下の通りです。

 

 icon-check 健康な心と体

  自立心

 icon-check 協同性

 icon-check 道徳性・規範意識の芽生え

 icon-check 社会生活との関わり

 icon-check 思考力の芽生え

 icon-check 自然との関わり・生命尊重

 icon-check 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚

 icon-check 言葉による伝え合い

 icon-check 豊かな感性と表現

 

   

これらの指針はどれも漠然としていますが、こういった大きな目標があれば、細々とした「小1の壁」に惑わされずに親子でしっかりと幼児期から学童期への移行を乗り越えられるのかもしれません。

  

 

 

2020年は新しい学習指導要領がスタートする年

小学校の学習指導要領が約10年ぶりに改訂し、2020年度はその新たな学習指導要領が実施される初めての年度でもあります。親世代が記憶している小学校教育とは内容も学び方も異なります。この点についても予習しておくと学習面での不安が軽減されますよね。

 

学習指導要領の中でも一つの大きな軸となっているプログラミング教育については、以前こちらの記事で解説していますので、気になる方はぜひこちらも読んでみて下さい。

↓↓

http://mamioh.coni-coni.com/programming.html

 

 

教育の内容が大きく変わる

 

情報化やグローバル化といった社会の急激な変化に対応できるよう「プログラミング教育」や「外国語教育」などが新たに組み込まれます。「プログラミング教育」は、実際のプログラミング言語を学ぶことを目的とするのではなく、コンピューターが動く仕組みを理解し、「プログラミング的思考」を育むための教育です。「外国語教育」は、小学校3年生からスタートします。「読み書き」が主流だった従来の英語教育に比べ、「楽しみながらコミュニケーションをとる」という点が新たなポイントになります。

 

 

学び方が大きく変わる

 

新たな学習指導要領には、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」というキーワードがあります。これまでのように先生が児童に一方的に教える講義型の授業の形を離れ、児童一人ひとりが自らの興味関心ごとを掘り起こし、友達や先生と対話しながら学びを進めていくという形に変わります。

 

新たな学習指導要領に基づく学校教育では、子供だけでなく親や先生にとっても初めての体験がたくさんあるでしょう。戸惑ってしまったら、みんなで協力し合いながら解決していくという姿勢が大切になってくるのでは?と私は考えています。

 

参考:政府広報オンライン

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201903/2.html

  

 

まとめ

「小1の壁」という言葉を鵜呑みにしてしまうと、必要以上に悲観的になってしまいます。まずは小学校入学について親子で具体的にイメージしながら、入学後の生活をシミュレーションしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

また、生活の変化でくじけそうになったときは、目先の問題だけでなく大きな目標を思い出してみるのも一つの案。奇しくも2020年は小学校で新たな学習指導要領が実施される最初の年。みんなで手を取り合いながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいものですね。