海外旅行に行くときには必ず持っていかなければならないパスポート。

 

まだ自分でサインもできない赤ちゃんは、どのようにしてパスポートを申請すれば良いのでしょうか。夫の海外赴任にともない新生児のパスポートを取得した筆者が、申請方法や実体験に基づく注意点や手順などをご紹介します。

 

赤ちゃんのパスポート申請方法はどうする?

赤ちゃんと一緒に海外へ行く場合、パスポートをどうしたらいいか、どうやって申請したらいいか、わからないことだらけですよね。

 

パスポート申請のあれこれ、ご紹介します!

 

 

赤ちゃんのパスポートはいつから作れる?


海外旅行はたとえ0歳であっても、出国の際には必ずパスポート必要です。

赤ちゃんのパスポートは、出生届を出したあとであればいつでも作れます。

 

20歳未満の場合、申請できるパスポートの有効期間は5年のみとなっています。

 

 

赤ちゃんのパスポート申請に必要なもの


赤ちゃんのパスポートを作るには、戸籍書類など所定の書類を用意して、赤ちゃんの住民登録がされている都道府県のパスポートセンターへ提出する必要があります。

 

親権者が赤ちゃんのパスポートを申請するときに必要書類は、基本的には次の4つです。

 

   申請時に必要な書類

 

    一般旅券発給申請書:1通(5年用)

 

    戸籍抄本または戸籍謄本:1通

    (申請日前6か月以内に発行されたもの) 

 

    赤ちゃんの本人確認書類(身分証明書)

  :1点または2点(書類の種類による)

 

    パスポート用の写真:1枚(規格に沿ったもの)

 

 

 

1)一般旅券発給申請書は、パスポートセンターもしくは役所で配布されています。役所で取得したい場合は、配布方法や場所などをあらかじめ電話で確認しておくと安心です。

 

2)戸籍抄本または戸籍謄本は、本籍地の区市町村の戸籍係で入手可能です。本籍地が居住地域から離れている場合は郵送でも請求できます。なお、戸籍抄本または戸籍謄本は、出生届を出したその日に発行してもらうことはできません。赤ちゃんの戸籍が反映するまで、出生届が受理されてから1週間~10日ほどかかります。

 

3)身元確認書類は、書類の種類によって1点で良いものと、2点必要なものがあります。赤ちゃんの本人確認書類としては、赤ちゃんの健康保険証と母子手帳の2点を提出するのが一般的です。

 

1つ注意したいのは、戸籍書類や本人確認書類はコピー不可です。

 

パスポートの申請時は、必要な書類さえ準備しておけば、赤ちゃんが同伴する必要はありません。申請窓口にママが申請者として手続きを取ることができます。

 

しかし、パスポートの受領時にはパスポートの名義人が本人であることを確認する必要があるため、赤ちゃんも連れて行く必要があるので覚えておきましょう。

 

また、パスポートの発行手数料は受領時に支払うため、申請時は不要です。

 

 

 

【体験談】書類の準備は意外と大変!計画的に準備しよう。


筆者は家族で海外赴任をしているときに妊娠したため、日本に戻って里帰り出産をしました。

産んだあとはできるだけ早めに戻りたいと思っていたので、子どもが生まれたあと、すぐに書類の準備に取りかかりました。

 

まず出生届を出し、赤ちゃんの健康保険証を作ってもらうために夫の会社の健康保険組合に申請をして、郵送で戸籍謄本を取り寄せました。

 

産後すぐで体調が万全でなかったことも原因だったのでしょうが、短期間に何枚も似たような内容の書類を書かなければならず、ぐったりと疲れ切ってしまったことをおぼえています。

 

パスポートの申請書類を用意するのは思いのほか手間がかかるので、計画的に準備をしておきたいですね。

 

 

 

赤ちゃんのパスポートのサインはどう書くの?

赤ちゃんは自分で署名ができないため、親権者が代筆者として代理署名をします。

所持人自署欄の上部に赤ちゃんの名前を書き、下部に親の名前を書いて「(父)/(母) 代筆」と添えるのが一般的です。

 

なお、パスポートの所持人自署欄に書かれたサインは、あくまでもパスポート上の署名であって、海外に行くときに代理署名者が必ず同行しなければならないというわけではありません。

 

つまり、パパが代筆したパスポートを持って、ママが赤ちゃんを連れて出国することも、基本的には問題ないとされています。その場合はママが赤ちゃんの代わりに署名をしてください。

 

 

赤ちゃんのパスポートの写真について

 

パスポートに使える写真については、次のような決まりがあります。

 

・縦4.5cm×横3.5cm(ふちなし)

・頭頂部からあご下までが32mm~36mm

・写真上部から頭頂部までが2mm~6mm

・カラーでも白黒でも可

・本人のみが撮影されたもの

・提出の日前6か月以内に撮影されたもの

・無帽で正面を向いたもの

・背景(影を含む)がないもの

 

証明写真には細かい決まりが多く、規定に合っていないと受け付けてもらえないこともあるので、可能であれば写真撮影するときは写真屋さんなど、プロにお願いして写真を撮ってもらうのが良いでしょう。

 

例えば、子ども写真スタジオとして有名なスタジオマリオでは、一部の店舗で証明写真の撮影を行っています。赤ちゃんを撮り慣れているカメラマンだと安心ですね。

 

またパスポートセンターの窓口では、パスポート専用の写真館が併設されていることがあります。赤ちゃんの写真撮影に対応しているか事前に確認しておきましょう。

 

 

写真を自宅で撮影をするときのコツ


写真スタジオに足を運ぶのが難しい場合は、自宅で撮影もできます。手持ちのデジタルカメラ、もしくはスマートフォンで撮影しましょう。証明写真用のスマートフォンアプリを利用するのも便利です。

 

赤ちゃんを撮影するときは、

 

・真顔のときに撮る

・顔が左右に傾いたり洋服で隠れたりしないように気をつける

・手が入らないようにする

 

という3点を特に注意してみてください。

 

機嫌が良いときに、とにかくたくさん写真を撮っておくのがおすすめです!

 

 

首がすわっていない赤ちゃんの場合


椅子に1人で座ることができない赤ちゃんは、ベッドの上などに寝かせた状態で写真撮影をします。

 

赤ちゃんの下に白、もしくは淡い色で無地のシーツやタオルを敷き、赤ちゃんの真上にカメラをかまえます。赤ちゃんが真顔で正面を向いているときをねらってシャッターを切りましょう。

 

シーツの細かい柄やタオル地の凹凸なども、背景の柄とみなされて申請できないことがあるので注意してください。

 

蛍光灯ではなく、自然光で写真を撮った方が、シーツに影ができにくいのでおすすめです。

 

 

1人で座れる赤ちゃんの場合


首がすわった赤ちゃんであれば、薄い色で無地の壁の前に椅子を置き、そこに赤ちゃんを座らせて写真を撮るのが一番簡単です。このとき、椅子が写真に写り込まないようにします。

 

撮影時は、赤ちゃんの顔が横を向いたり、傾いたりしないよう注意しましょう。

 

 

 

写真の加工をしても大丈夫?


自宅で赤ちゃんの写真を撮った場合、パスポート用のサイズにトリミングする、影が出ないよう明るめに調整するといった加工をしても問題ありません。

 

ただし目の大きさを変えるなど、顔の印象が変わるような加工はもちろんNGです。

 

 

パスポート申請時は赤ちゃんの写真を複数用意しておくと安心


筆者もパスポート申請のために、背景のシーツや場所を変えたりしながら、大量の赤ちゃんの写真を撮影しました。

 

その中から一番良さそうなものを選んで持っていったのですが、「背景のタオルの生地に凹凸があるからダメ」と受け付けてもらえませんでした。

 

そこで、予備用にと用意していた別のシーツで撮った写真を出したところ、「これならいいでしょう」と申請が許可されました。

 

写真の規定はかなり細かく確認されます。そのため、自宅で赤ちゃんの写真を撮る場合は、いくつかのパターンで写真を用意しておくと安心です。

 

 

パスポートの受取方法はどうしたらいいの?

 

パスポート受領までには、申請してから10日ほどかかります。指定された期日以降に、次の書類を持ってパスポートセンターへ受け取りに行きましょう。

 

・申請の時に渡された受理票(受領証)

・手数料:6,000円(12歳未満の場合)

 

なお、パスポートの受け取りには申請者本人である、赤ちゃんの同伴が必要です。受け取りに時間がかかることもあるので、なるべく混雑していない時間帯にパスポートセンターの窓口へ足を運べると良いですね。

 

 

赤ちゃんのパスポート申請は余裕を持って!

パスポートは申請から受領まで時間がかかります。特に赤ちゃんのパスポートを申請する場合は、写真が不適切だと受け付けてもらえなかったり、受け取りに行こうと思った日に赤ちゃんが体調を崩してしまったり、といった不測の事態が起こる可能性もあります。

 

渡航前に焦らずに済むよう、赤ちゃんのパスポートが必要になったら、なるべく早めに準備にとりかかりましょう!

楽しい思い出になる海外旅行になりますように。