離乳食、子供の好き嫌い、遊び食べ、時短調理…。育児を語る上で「料理」は欠かせないテーマの一つです。しかし、忙しさと義務感に追われるうち、それまで好きだった料理が面倒に感じてしまうママたちも多いのではないでしょうか。
2012年に「小さなパリのキッチン」を出版すると、そのクリエイティブでおしゃれな料理スタイルで、瞬く間に世界中の人々の心をとらえたレイチェル・クー。彼女がキッチンに立つ姿は、いつも明るくとにかく楽しそう!限られた時間と食材を工夫しまくって仕上げる料理は、見ている人まで前向きな気持ちにしてくれます。
レイチェルさんは、フードライター兼料理人として世界中を飛び回る一方、二人の男の子を育てる母という一面も持っています。今回「レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン」出版記念で来日した彼女に、子供のいる家庭での料理との向き合い方についてインタビューしてきました。
後編では、「レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン」の中から、小さな子供のいるご家庭でも挑戦しやすいレシピをご紹介していただきました。
「レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン」から小さい子にもおすすめレシピ
©『レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン』より/Photography © David Loftus, 2018
レイチェルさんに『レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン』の中で、小さな子供にもおすすめのレシピがあれば教えてください。」と質問を投げかけた際、真っ先に教えてくれたのがこちらのレシピ。
バターナッツ(またはカボチャ)の甘さをいかした砂糖不使用のワッフルのレシピです。
材料(8枚分)
【ワッフル】
・バターナッツまたはかぼちゃ…300g(オーブンで焼いて柔らかくしておく)
・溶かしバター…100g(冷ます/別にワッフルメーカーに塗る用に少し)
・バターミルク…200g
・牛乳…200ml
・卵…中2個
・塩(細粒)…小さじ1
・薄力粉…200g
・ベーキングパウダー…小さじ2
・シナモンパウダー…小さじ1/2(好みで)
※バターミルク:ヨーグルトと牛乳を7対3の割合で混ぜたもので代用できる。
【お菓子にする場合のトッピング】
・いちごジャム
・生クリーム
【前菜、メインにする場合のトッピング】
・クレームフレッシュまたはサワークリーム…大さじ4~6
・赤玉ねぎ…1個
・チャイブ(フレッシュ)…大さじ2
・キャビア…大さじ2~4(あればカリックス産)
作り方
1.ワッフルを作る。ボウルにバターナッツを入れてマッシャーでつぶし、バター、バターミルク、牛乳、卵を加えて混ぜる。
2.別のボウルに塩、薄力粉、ベーキングパウダー、シナモンパウダーを入れて混ぜ合わせておく。ふるいにかけながら1のボウルに入れたら、全体を混ぜ、そのまま室温で20分おく。混ぜすぎると粘りが出てしまうので気を付ける。
3.ワッフルメーカーにバターを塗り、温度を上げる(フッ素樹脂加工のものは、バターは不要)。おたま1杯分の生地を真ん中に流し込んだら、蓋をして数分、ワッフルの縁がカリッとしてくるまで焼く。取り出して1分ほど冷ましたら、好きな具材をトッピングして召し上がれ。
Top tip
ワッフルメーカーがなければ、フッ素樹脂加工のフライパンで小さなパンケーキにしてもいいでしょう。フライパンを中火にかけ、おたま少なめの1杯分の生地を流し込み、きつね色になるまで両面を焼きます。
Get ahead
生地は前日に作って冷蔵庫で保存しておいてもいいでしょう。焼く30分前に冷蔵庫から出して室温に戻しておくと、軽くふんわりと焼き上がります。
*出典元:「レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン」(世界文化社)
子どもと一緒に、我が家も実際にパンケーキを焼いてみました
インタビューを終えた翌日の朝、冷蔵庫にかぼちゃがあったので、早速こちらのレシピに挑戦してみることにしました。我が家にはワッフルメーカーがないので、ホットプレートでパンケーキ風にしました。
我が家らしく!パンケーキ風にアレンジで挑戦
▲ホットプレートでパンケーキ風に
生地は、一般的なパンケーキ生地に比べてゆるめです。バターミルク(レシピのアドバイス通り、牛乳とヨーグルトで代用しました。)と牛乳がたっぷり入るので、ボウルはぜひ大きめのものを使いましょう。
砂糖を使わないから感じる素材の風味
▲しっとりしたパンケーキが焼きあがりました。
レシピでは8枚分となっていますが、我が家では小さめのパンケーキがなんと25枚も焼けました!余った分は冷凍して別の日にいただきました。時間が経ってもしっとりしていて、かぼちゃの風味もしっかり残っていました。
子どもが自由にトッピングして、食事を楽しむ工夫
▲トッピングはレシピ通りではなく、自宅にあったバナナ、冷凍のベリーミックス、チーズ、ウインナーで代用しました。
レイチェルさんの「子供が自由にトッピングを選べるようにしてあげると、楽しさも倍増する」というアドバイスの通り、我が家でもさまざまなトッピングを用意。
大きなお皿にトッピング材料を並べていると、早速長男が「今日はパーティー?」とウキウキした声で聞いてきました。「好きにトッピングしていいよ」というと「やったー!」と大盛り上がり。フルーツを山盛りに乗せたり、ウインナーでホットドック風にしたりと、楽しそうに食べてくれました。
自分のご褒美にもぴったり
▲フルーツをトッピングしてみました。
トッピングを楽しむのも良いですが、私はそのまま何も乗せずに食べるのが一番美味しいと感じました。程よい塩加減がかぼちゃの味を引き立て、砂糖なしのパンケーキですが、本当に美味しかったです。ぜひまた作りたいと思いました。
インタビューを終えて
スウェーデン大使館で開催された「レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン」出版記念イベントには、全国各地から約600名が応募。抽選に当選したラッキーな45名のレイチェルファンがかけつけ、終始笑いの絶えない和やかな雰囲気で行われました。
ファンの中には、「東京の小さなキッチンで料理への意欲がなくなった時に、レイチェルさんの番組を見て、工夫次第でどんな場所でも楽しく料理ができるんだ!と考え方が180度変わった。」と語る方や、「レイチェルさんが友人を招いて一緒に食事を楽しむシーンが大好き。料理の本来の姿を見せてもらっているよう」と語る方も。
トークショーでは、「しなやかに生きる秘訣は?」との問いかけに対し「いつも自分に正直でいること」と言い切る潔さが印象的でした。パリやロンドンに比べ、マーケットに並ぶ食材が限られているスウェーデンだからこそ、創意工夫のしがいがあるともお話されていました。自分のアイデアと工夫、そして料理を楽しむ気持ちで、どんな場所でも楽しく美味しい料理を作り続けるレイチェルさん。彼女の活躍に、これからも目が離せません。
【当キャンペーンは終了しました】レシピ本『レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン』を抽選で1名さまにプレゼント!(〜12/15まで)
今回のプレゼントは、日頃mamiohをご覧いただいている読者の皆さまに日頃の感謝の想いを込めて開催いたします。
毎日、家事・育児・仕事と忙しい日々の中で、ささやかですが温かい気持ちをお届けできますように。今後とも、mamiohをよろしくお願いいたします。
▽ご応募は1分ほどで完了します。お気軽にバナーリンク先よりご応募くださいませ。
レイチェル・クーの特集記事はこちら
前編:【子育てしながら料理を楽しむコツ】子供に伝えたいのは、食事の喜びをみんなで共有すること。料理人レイチェル・クー(前編)
後編:【子育てしながら料理を楽しむコツ】子どもと一緒に!ローストバターナッツのワッフルをアレンジ。料理人レイチェル・クー(後編)
プロフィール:フードライター兼料理人 レイチェル・クー
撮影/西山 航 (世界文化社)
フードライター兼料理人
レイチェル・クー
1980年生まれ。イギリス・クロイドン出身。
ロンドンの名門芸術大学セントラル・セント・マーティンズ・カレッジを卒業後、フランス菓子への情熱が高じてパリに移住。ル・コルドン・ブルーで学び、製菓ディプロマを取得。2012年に出版された『The Little Paris Kitchen(小さなパリのキッチン)』は全英ナンバーワンベストセラーになり、13カ国語に翻訳され、BBCのシリーズ番組として放映。その後、世界150ヶ国以上で放映される。ホテルやレストラン、一流企業のコンサルタントも務め、2016年にスウェーデンに移住し、現在はスウェーデン人の夫と子どもと暮らす。日本では、2016年3月よりNHK Eテレにて「レイチェル」シリーズが放送されている。