育児本にもインターネットにも「子どもには栄養バランスの良い食事を」と書かれていますが、子どもたちはマイペース。放っておいたら好きな時に好きなものしか食べません。小食や偏食など「子供が食べない」というお悩みで頭を抱え込んでしまうママも多いですよね。
食事内容や生活リズムなどを工夫してもなかなか改善しない場合は「子供が食べてくれないのは自分に原因があるのではないか」と深く悩んでしまうなんてことも。しかし、子供が食べないのには様々な原因があるので、その全てを親が抱え込んでしまう必要はありません。今回は、子供の「食」に関してお悩みのママの心を少しだけ軽くする考え方と対処法をご紹介します。
子供が食べない理由とは?
子供が食事を食べてくれない時、真っ先に思いつくのが「好き嫌い」という理由ですよね。近年は野菜嫌いの子どもが増えているそうです。しかし、実はそれ以外にもたくさんの理由があります。同じ子でも昨日と今日では食べない理由や食べる量が全く違ったという場合もよくあります。
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体調が悪い
(風邪、便秘、胃腸の疲れ、口内炎、虫歯など)
食が進まない理由の中でも意外と多いのが体調の乱れによる食欲不振。風邪や虫歯など、分かりやすい理由だと良いですが、便秘や胃腸の疲れ、口内炎、精神的な不調の場合は、子供が言葉で表現できない場合が多く、親もすぐには気が付けない事があります。
新しい食べ物にチャレンジするのが怖い
「食わず嫌い」というタイプの好き嫌いですが、子供の場合、単に嫌いなのではなく「怖い」と恐怖心を抱いている場合が多いです。無理やり食べさせるとトラウマになってしまう場合もあるので要注意です。
他の事に気を取られている
(遊び、テレビ、心配事)
遊びやテレビなどに集中していたところを中断して食事の時間になってしまった場合、子供の心の準備が出来ていないという事があります。大人にとってはすぐに切り替えのつく事でも、子供にはなかなか難しい事ってよくありますよね。
また、幼稚園や保育園での出来事(叱られた事や喧嘩など)を引きずっているという事も考えられます。話をじっくり聞いてあげたり、大泣きしたりしたら、その後ケロッとして食事したという経験はありませんか?
生活リズムの乱れ
(夜更かし、おやつの食べ過ぎ)
大人でも夜更かしすると朝食はなかなか食べられませんよね。生活リズムが乱れてしまうと、なかなか空腹感を感じられず、食が進まないという事もあります。
子供が食べてくれない!そんな時におすすめのリフレーミング方法3選
子供の食欲不振について「食べてくれないのは私の料理が下手だから」「私がしっかり躾をしていないから」というように自分を責めてしまう事はありませんか?しかし、上記にあげたように子供が食べない理由は食事以外にある場合が多いです。
もしあなたが今、子供の食の悩みで精神的に追い詰められているのであれば、以下のようなリフレーミング方法で考え方を切り替えてみてはいかがでしょうか。
リフレーミングとは?
ある物事を別の角度から捉えなおすという意味の言葉です。例えば「頑固」という性格も、別の視点で見ると「粘り強い」と捉える事ができますよね。また「いつまでも泣き止まない」という行動は「体力がある」と言い換える事もできます。このように、短所と捉えられがちな行動も、見方を変えるだけで子供の長所になり得るという「考え方の切り替え方法」がリフレーミングです。
1日を通して栄養バランスを考えればOK
ママとしては毎食一生懸命栄養バランスを考えて食事を作っているので、何か一つでも残されると「栄養バランスが偏るのでは?」と気になるかもしれません。しかし、朝食べられなかったものはお昼に食べれば良いのです。お昼にも食べなければ夜食べれば良いです。そうやって、一日を通して全体的な栄養バランスを考えるという方法に切り替えてみてはいかがでしょうか。
特に「幼稚園や保育園ではしっかり食べてくれるのに家だと好き嫌いばかりする」という子供の場合はこの方法がぴったり。園でしっかりとバランスの良い食事ができているのであれば、家で多少偏っていても問題ないと考えて、ママも肩の荷をおろしましょう。
子供の食欲は健康状態の指標!体調管理のヒントに
赤ちゃんの時は母乳やミルクの飲みっぷりでその子の体調を判断していましたよね。卒乳した後も、食事でそういった見方を継続していくのは効果的です。「食べてくれない」と頭を悩ますのではなく「どこか調子が悪いのかな?」と考えてみると、体調不良の早期発見につながる場合があります。体だけでなく心配事や悩みなどに気づくことができる可能性もあります。まだ言葉で自分の気持ちを表現することの難しい子供だからこそ、こういったサインは貴重ですよね。
食べ物遊びは、手先を器用にするトレーニング
物心がつく前の赤ちゃんに多いのが「離乳食で遊んでしまう」というお悩み。「食べ物で遊ぶのは良くない」と言いますが、この時期の赤ちゃんにはまだ物事の良い悪いがわかりません。そんな赤ちゃんに言い聞かせたり躾しようとしたりしても無理です。
手間と時間をかけて作った離乳食をぐちゃぐちゃにされると本当に悲しい気持ちになりますよね。赤ちゃん相手についカッとなってしまう事もあるでしょう。そんな時は「これも五感を鍛えるトレーニングだ」と考え方を切り替えてみます。食べ物にはそれぞれに違った形や感触、温度があり、赤ちゃんにとっては他にない魅力的な実験対象物なのです。思う存分触ったりなめまわしたりして、手や舌の感覚を育てていると考えてみると、怒りも少し穏やかになりませんか?
もちろん、物心ついてからは「食べ物では遊ばない」としっかり教えましょう。
少しでも量を食べてもらいたい!おすすめの偏食対策
子供が食べない原因が分かっても、リフレーミングしても、やっぱり作った食事は気持ちよく食べてもらいたい!これまで私が実践してきたおすすめの偏食対策をご紹介します。
食事の前と後について想像してみる
子供にとってテーブルに出された食事は、大げさに言うと「突然現れた得体のしれないもの」。慎重な子供にとっては特に恐怖心を抱きやすいものかもしれません。
そこで、食事がテーブルに出る前と後について、一緒に想像してみます。最近では「食育」という言葉がもてはやされていますが大がかりな事はしなくても大丈夫です。野菜に関する絵本や図鑑を一緒に読んだり、テレビの料理番組を見たりという感じで、日常生活の中で食に触れ合う機会を増やしていきます。
我が家の体験談になりますが、長男が小さい時に出会った「おやおやおやさい」という絵本が大活躍。子供たちは絵本に登場する野菜やスーパーの野菜、そしてお皿の中の料理された野菜などを見ながら、野菜について親しみを感じているようです。食事の後については、栄養素や便についての絵本がおすすめです。
こどば遊びが楽しい!
絵本『おやおやおやさい』
出典:絵本ナビ
今日は野菜たちのマラソン大会。「そらまめ そろって マラソンさ」「りっぱなパセリは つっぱしる」韻を踏んだような言葉とユーモアたっぷりの絵が実に楽しい絵本です。
言葉遊びが楽しく、可愛らしく色とりどりなお野菜が登場する絵本です。たくさんの種類が出てくるので、楽しみながら野菜の名前も覚えられそうですね。
食レポを楽しむ
言葉を話すことができるようになった子供におすすめなのが「食レポ」ゲームです。ゲームと言っても、お互いに食レポし合うだけなので、いつでもどこでも出来ます。
まずはテレビで芸能人の食レポを何回か見せて、味や食感についての表現をなんとなく覚えさせておきます。その後、実際に芸能人と同じように「お出汁がきいていて深い味わいがします」などのそれらしい言葉を言い合いながら食事します。
我が家では抜群の対処法の1つであるこの方法。子供って大人っぽい難しい言葉を言いたがりますよね。子供が楽しみながら食事してくれるだけでなく、真剣に味わいながら食べてくれるのも親としては嬉しいポイント。我が家では「この中には何が入っているでしょうか?」と材料当てクイズに発展することもあります。
今までのご飯と形状を変えてみる
お茶碗のご飯だと全然食べないのにおにぎりは大好き!というのは子供あるあるの1つですね。そこでおすすめなのが「一口ごはんシリーズ」です。食べやすく、見た目も可愛くパクパクと食べてくれるかもしれませんよ?!
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箸が進まない子供向け、おすすめレシピ3つ
一口サイズの
カワイイおにぎり
出典元:クックパッド
たこ焼き器で簡単
オムライス
出典元:クックパッド
食べやすいサイズ感
一口ハンバーグ
出典元:クックパッド
その他先輩ママの声
・嫌いな野菜類はハンバーグやカレーに入れて食べさせている
・細かく刻んでチャーハンに入れたら意外と食べてくれた
・野菜多めの餃子をつくる
・お好み焼きに混ぜるとパクパク食べてくれる
・家庭菜園で苦手な野菜(ミニトマト)を育てて、毎日水やりを任せたら「自分で作った野菜だから食べたい!」と喜んで食べてくれるようになった!
などママも試行錯誤しながら日々がんばっているようです。
学校や保育園などの給食は完食していると聞くと「なんで家では食べないの?」と思ってしまいますよね。ですが大丈夫!それはどのお家も同じということが多いみたいですよ。
子供が食べないときのまとめ
子供が食べてくれないと、発育や躾などの心配で頭がいっぱいになってしまう事もありますよね。しかし、先の事を心配しても上手くいかないことが多いです。時にはリフレーミングで頭の中をすっきり切り替えながら、普段の生活の中で食について考える時間を増やしてみる事をおすすめします。給食である程度栄養バランスがとれているので、あまり気にし過ぎずに気楽にいきましょう!