「絵本」と聞くと、小さな子供が自分で読んだり、親が子供に読み聞かせたりするものというイメージをお持ちではないでしょうか。しかし最近では絵本の対象年齢は幅広く、生まれたばかりの赤ちゃん向けのものから、大人向けの絵本まで様々な種類のものが販売されています。
一冊1000円前後で購入することができる絵本は、さりげないプレゼントにもぴったり。相手の気持ちを考えながらどんな絵本が良いだろうとあれこれ悩む時間は、とても楽しいものです。
今回は、私が出産の前後に出会い、今まで何度も読み返してきたお気に入りの絵本を3冊ご紹介。出産祝いのプレゼントを探している方にもおすすめです。
ママになったあなたへ贈りたい絵本
文字の読めない赤ちゃんには大人が絵本を読み聞かせ、文字が読めるようになった子供は自分で読んだり大人に読んでもらったり。同じ絵本でも、読み手によって印象が変わるのも絵本の面白いところ。文字数が少ないため、読者が想像力を働かせながら読む必要があるからです。
大人になると絵本を読み返すことによって子供の頃の記憶を思い出すこともできますし、子供の頃には気が付かなかった新しい意味に気づくことができるかもしれません。絵本は、いわば思い出のタイムマシーンのようなものなのです。
1.おかあさんがおかあさんになった日
作・絵: 長野 ヒデ子 |
出版社: 童心社 |
価格 :1,300円+税 |
タイトルの『おかあさんがおかあさんになった日』というのは、もちろん赤ちゃん(第一子)が生まれた誕生日のこと。
ある母親が、自分の出産前後の日々について、我が子に読み聞かせるようなスタイルで書かれている絵本です。その文体は優しく温かく、この本を読むと、まるで自分自身の出産の物語を息子に話しているような気分になります。
▷おかあさんは期待と不安の中、はじめて赤ちゃんを生んだ日、おかあさんに。
子供が生まれてしばらくは、自分のことを「お母さんだよ」と語りかけるのも、なんだか恥ずかしかったこと。助産師さんから「お母さん」と呼びかけられても、自覚がなくて反応できなかったこと。それでも夜泣きや授乳のたびにまだ「お母さん」と言えない我が子に愛おしさを感じていたこと。そんないろんな気持ちを一度に思い出させてくれる一冊です。
ちょっと、ひとこと。
mamiohママライター メイ 色鉛筆で描かれたような暖かな色合いも優しく、見ているだけで幸せな気持ちになります。
我が家の長男は、絵本に出てくる赤ちゃんの事を自分だと信じているようで、甘えたい時などに「読んで」とこの絵本を持ってきます。
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2.きみがいま
作 :アリスン・マギー |
絵 :ピーター・レイノルズ |
訳 :なかがわ ちひろ |
出版社:主婦の友社 |
価格 :1,300円+税 |
ママも涙が止まらない!と全世界の母親たちを号泣させた超話題作『ちいさなあなたへ』の作家チームが手がけた最新作。『ちいさなあなたへ』は、日本でも大抵の本屋さんで販売されているのでご存知の方も多いと思います。
話題の絵本『ちいさなあなたへ』は母親と娘の絆に焦点をあて、ふとした一瞬から長い人生に思いを馳せるようなダイナミックな一冊です。一方、こちらの『きみがいま』は、小さな男の子の目から見える輝く瞬間の数々を収めた「今」のアルバムのような一冊。
▷ 過ぎ去ってしまったら二度と戻らない、かげないのない時間。
「きみがいま、むちゅうなのは」で始まるこの絵本の主人公は、今この瞬間を精一杯楽しむ小さな男の子。男の子の遊びは、ミニカーを廊下でビュンビュン走らせたり、水たまりにバチャンと飛び込んだりと、とてもダイナミック。
男の子を育てるママなら、きっとページをめくるたびに「そうそう」と苦笑いしてしまうことでしょう。しかし子供たちの毎日は「今」の積み重ね。読み進めているうちに、「今」を楽しんでいる男の子の姿こそが、彼らの人生そのものだと気づかされます。この絵本は、今では我が家には欠かす事のできない「育児書」のような存在です。
ちょっと、ひとこと。
mamiohママライター メイ 我が家は男の子二人兄弟。「ちいさなあなたへ」の大ファンの私は、男の子向けというこちらの絵本も即購入。
絵本の主人公と息子たちの行動が完全に重なる日も多々あります。子供たちも絵本の主人公に親近感を持っているようで、一緒に読んではゲラゲラと笑っています。文字数が少なく、同じ言葉がたくさん出てくるので、長男はひらがなを読む練習によく使っていました。
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3.どんなにきみがすきだかあててごらん
作 :サム・マクブラットニィ |
絵 :アニタ・ジェラーム |
訳 :小川 仁央 |
出版社:評論社 |
価格 :1,300円+税 |
デカウサギとチビウサギがお互いにお互いのことがどれくらい好きなのか言い合う、言葉ゲームのような絵本です。その例えの表現がユニークで面白く、言葉の世界に浸ることができる一冊。
ウサギの親子なのか、恋人なのか。この『どんなにきみがすきだかあててごらん』は、読む人、読む時によって捉え方が変わるかも。「すき」と表現する大切さを改めて実感できます。原文の英語では一般的な表現なのかもしれないのですが、日本語にするとなんだかよくわからない突拍子のないような表現で。それは、まるで言葉を話し始めたばかりの3歳くらいの子供のたどたどしい話し方のよう。とても可愛く愛おしく感じられます。
ちょっと、ひとこと。
mamiohママライター メイ 子供ってどうして寝るのを嫌がるのでしょうか。毎晩、寝る前に「遊びたい」と言ってひと悶着あるのは我が家だけではないはず。この絵本のチビウサギも同じ。「まだ寝たくない」と言わんばかりに言葉遊びに夢中になり、その辺を飛び跳ね回ります。
子供が寝てくれないと、「いい加減にしなさい!」とつい叱ってしまいますが、絵本のデカウサギはチビウサギの遊びにしっかり付き合います。そして見事寝かしつけに成功。ラストの1ページにはとてもロマンチックな一言も用意されています。毎晩子供の寝かしつけを頑張るママへのご褒美のような絵本です。
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大切なことを教えてくれる絵本はさりげないプレゼントにぴったり
今回ご紹介した絵本は、どれも子供を温かく見守るまなざしで描かれています。読んでいるだけで子育てについての大切なことに気づかせてくれるので、私にとっては育児の参考書のようなもの。
子供は一人ひとりに個性があるので、育児には「こうすれば正解」というような答えはありません。日々色々な悩みに直面するママにこそ、こういったさりげないながらも実用的なプレゼントは有難いものです。
◆ご紹介した本の詳細はこちらから
2.きみがいま
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