日本の子どもは睡眠不足?理想の睡眠時間は?寝る子は育つって本当?睡眠のメカニズムについてなど、子どもの睡眠を取り巻く現状をお届けします。

                 

子どもの睡眠時間、どのくらい必要?

24時間営業が当たり前の今、大人だけでなく子どもの生活時間も夜型になり、睡眠時間の減少が問題となっています。

 

睡眠不足は子供の成長にも大きな影響を与える心配があります。今の子どもたちの睡眠事情について、また理想の睡眠時間や睡眠の大切さについて調べてみました。

 

 

日本の子どもは睡眠不足!?


 深夜営業のファミレスや24時間営業のコンビニなどで、遅い時間に親に連れられて出歩く幼児を普通に見かけます。ほめられることではないでしょうけれど、仕方がない状況もあると思います。

また、寝る直前のテレビやスマホ・ゲームなどは赤ちゃんや子供の脳は大きな刺激を受けます。

 

長時間労働が社会問題にもなっている今、働き盛りで共働きの夫婦の多くが子育て世代でもあります。フルタイム勤務の場合は仕事中、子どもは保育園などに預けることになります。どうしても子どものお迎えが遅くなり、そこからお買い物や外食などで遅い時間に外を出歩くことになってしまうのでしょう。

 
そのため保育園では昼寝の時間を設けて、夜の睡眠不足をカバーしているのですが、小学生になるとお昼寝もできないため、睡眠不足が顕著になってきます。

 

小学生に必要とされる睡眠時間は9時間半~10時間半と言われていますが、現実には小学生の3割の平均睡眠時間が8時間未満で、10時間以上十分に睡眠がとれている子どもは5%未満となっています。

 
世界的には半数の子どもが9時間以上睡眠をとっているというデータもあり、日本の子どもがいかに睡眠不足か、ということが裏付けられているのです。

 

 

子どもにとって理想の睡眠時間は?

 

年齢別に理想的な睡眠時間は異なってきます。

 

《 年齢別の睡眠時間 》

 

新生児(0~3ヵ月) 乳児(4~11ヵ月)
推 奨 14~17時間 12~15時間
最低限 11~13時間 10~11時間

                       

乳児期(1~2歳) 保育園児・幼稚園児
推 奨 11~14時間 10~13時間
最低限 9~10時間 8~9時間

                       

                      

小学生 中学生・高校生
推 奨 9~11時間 8~10時間
最低限 7~8時間 7時間

                     

乳幼児期は体内時計を作る時期です。朝起きて昼を活動的に過ごし、夜は寝るという生活リズムを作り、保育園や幼稚園に入る頃には大人と似た生活サイクルを持つようになります。

             

                                    

 「寝る子は育つ」は本当だった!?

 

誰でも早寝早起きは習慣にしたいもの。人は睡眠中に成長ホルモンが分泌され、脳の疲労や身体の損傷を修復しています。睡眠は健康を維持するうえで非常に重要です。特に乳幼児期から成長期の子どもにとっては、睡眠は心身の発育に大きな役割を果たすため、大人以上に大切です。

  
昔から「寝る子は育つ」と言われますが、寝ている間に成長しているというのは単なることわざではなく、科学的にも裏付けのあることなのです。朝起きたら太陽を浴びて、朝食をしっかりと摂り、なるべく決まった時間に布団に入ることで生活リズムが整います。

 

 

睡眠のメカニズム 

 夜、眠くなるのはメラトニンというホルモンの働きです。良い睡眠にはメラトニンをたくさん分泌させることが必要です。
メラトニンの材料であるセロトニンというホルモンは日中分泌されます。その元になるのはトリプトファンというアミノ酸で、肉や魚、大豆製品、乳製品、ナッツ類に多く含まれています。
 
また、メラトニンは朝日を浴びた15時間後に増加します。朝起きたら朝日を浴びるのが重要です。夜、暗くなると目に光が入ってこなくなります。すると脳の中央にある「松果体」という部分でセロトニンがメラトニンに変化します。
 
人は眠っているとき、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を4~5回繰り返しています。眠るとすぐ深い睡眠に入るのですが、成長ホルモンはこの最初の深い睡眠の時に急激に分泌されています。
睡眠中にノンレム睡眠とレム睡眠を交互に繰り返し、朝の目覚めに向けて準備を整えていくのです。

 

 

まとめ
成長期の子どもには健康のためにも、なるべく正常な睡眠をとらせてあげたいものです。親としては忙しい毎日でも、少しでも就寝時間を早めて睡眠時間を確保するための環境を出来る限り整えてあげましょうね。