赤ちゃんはとっても汗かき。赤ちゃんの「あせも(汗疹)」は背中や足の付け根、関節部分など汗で蒸れてしまうところにできやすく、肌が赤くなったりブツブツが出たりする発疹の症状が現れると心配してしまうママやパパも多いのではないでしょうか?
今回は医療系の国家資格を持つ筆者が、乳児期にあせも(汗疹)の症状や対処方法について詳しく解説します!
赤ちゃんの汗疹(あせも)ができやすい原因とは?
では、なぜ赤ちゃんのあせもが起こるのでしょうか?
私が勤務する病院の小児科でもあせもや乳児湿疹で受診するケースが多くありましたが、特に夏場に受診する親子が多かったですね。その原因は汗を排出する汗腺と赤ちゃんの体温が関係しています。
赤ちゃんは汗腺が密集している
子どもも大人も暑くなった時に汗をかきますがその汗は、汗腺と呼ばれる部分から分泌されています。汗腺は生まれた時から備わっている機能で、汗腺の数は大人と一緒です。
しかし乳幼児は体が小さいため、大人に比べると汗腺が密集していてあせもができやすい環境にあります。また汗腺自体は未熟なため汗を上手く排出できないこともあせもを引き起こす原因の一つです。
赤ちゃんは体温が高い
赤ちゃんは体温が高く、平熱が36.5度~37.5度で大人の3倍汗をかくと言われています。赤ちゃんは新陳代謝が活発でちょっと動くだけでも体温が上昇し汗をかいてしまいます。汗をかいた後すぐに拭いておかないとそこから肌のトラブルを引き起こします。
Contents
あせもの症状が出る場所は?いつまで続くの?
あせもの症状は赤いブツブツだけでなくかゆみや痛みをともなう場合もあります。汗腺は全身のいたるところにあるため体のどこにでもできますが、赤ちゃんは特におむつで蒸れてしまいやすい背中やお腹・おしり付近にぶつぶつができやすいです。
皆さん、一度はおむつかぶれに悩んだ経験があるのではないでしょうか?
また汗腺が集中する顔や頭皮、やひじの内側や肘の内側、首回りなどの赤ちゃん特有のムチムチな体型によって関節付近などにあせもができやすいのも乳幼児のあせもの特徴です。
生後2か月ごろまでの赤ちゃんにできやすいですが、汗をこまめに拭いていない場合や体温が高めの赤ちゃんには2か月目以降も夏場や生活環境などであせもができやすくなってしまいます。
あせもには3つの種類があります!
あせもは赤いブツブツやかゆみ・手足のガサガサが特徴的ですが、3つの種類があり体の部位ではなく、皮膚のどの層にできるかによって種類が分かれています。
水晶用汗疹
透明または白い発疹で痒みはないもので皮膚の角質部分にできる表面的なものと、
紅色汗疹
皮膚の角質層より下の上皮層にできる赤いブツブツとかゆみやピリピリとした刺激を伴うものです。
深在性汗疹
日本人には比較的少ない真皮層にできるあせものこと。
赤ちゃんにあせも!こんな時はどうしたらいいの?
赤ちゃんにあせもの症状が現れた時、パパとママはどうしていのか分からず戸惑ってしまうこともあるのではないでしょうか?パパとママの不安は赤ちゃんに伝わってしまうものです。
では赤ちゃんにあせもの症状が現れて困ったこんな時どのように対処すればよいのでしょうか?医療資格を持つ筆者が対処法をお教えします!
病院は何科?タイミングは?
赤ちゃんにあせもの症状がある時、小児科と皮膚科どちらを選択すればいいのでしょうか?
赤ちゃんにあせもの症状だけでなく発熱や吐き気・下痢などの症状が併せて起こっている場合やいつもよりぐったりしているようであれば小児科を受診しましょう。
赤ちゃんは免疫力も低く、あせもの症状のようでも他の病気が原因となって発疹が起こっている場合もあります。小児科は赤ちゃん専門の診療科でもありますから他の病気である場合でも、そのまま治療を受けることができるので安心です。
ただ特に発熱もなく皮膚症状のみの場合で、アトピーの可能性も考えられる場合には皮膚科を受診するのもよいでしょう。
あせもの症状が悪化したら?
特に夏場や暑い場所・厚着をしている場合にはあせもの症状が出てしまいやすいです。こまめに汗を拭いていても悪化している場合には、抗生物質の入ったステロイド薬を使用します。
ロコイド軟膏もステロイド剤入りの皮膚の炎症を抑える薬ですが、ステロイド成分が入っている薬の中では刺激が少なく、赤ちゃんの肌にも使用することができますのでママたちの必需品アイテムのひとつです。
赤ちゃんが痒がる場合は?
赤ちゃんがあせもの症状で痒がってしまっている時に、かきむしって肌を傷つけてしまうと症状が悪化してしまう原因や細菌やウイルスに感染してしまう可能性があります。
赤ちゃんが痒がっている場合はまずは汗を拭くかシャワーで汗を流しましょう。またシャワーの温度は熱すぎないようにしてください。また症状は出ていないけど痒いしぐさを見せる場合は肌着の通気性・吸水性がいいものを選びましょう。
赤ちゃんは肌のバリア機能が未熟なため、お風呂から上がったらしっかりと体を乾かしスキンケアで保湿をして、乾燥しないように心がけることも大切です。あせもの症状がある場合は外用薬を使用して痒みの炎症を抑えましょう。
冷たいタオルを当てることも効果的ですが、赤ちゃんの肌は繊細ですのでアイス枕などはタオルを巻き長時間患部に当てるのは避けましょう。
薬や市販薬はどれを使うの?
あせもの症状で病院を受診した場合にはステロイド入りまたは非ステロイドの塗り薬を使用しましょう。
赤ちゃんの体質によって処方される薬は違いますが炎症を抑える塗り薬にはおむつのかぶれなどに使用される亜鉛華軟膏や、皮膚の保湿や保護効果のあるワセリンやプロペド、キンダベート、ヒルドイドなどさまざまな外用薬がありますので主治医や薬剤師と相談して使用しましょう。
今からできる!あせも予防6つの対策
あせもは汗が原因となって乳幼児期から幼少期までに起こることが多いです。
汗をかいたまま放っておかない
あせもを予防するにはこまめに汗を拭くことやこまめに着替えることが大切です。サッと洗い流してあげるのもおすすめです。
おむつ交換をこまめに行う
おむつに汗や排泄物が溜まることによって、おしりがムレてしまったり、炎症を起こしやすくなります。おしりの汗疹の原因にもなるので、おむつ交換のタイミングでなくてもこまめにチェックし、汗をかいている場合はおしりを洗ったり、おしり拭きで拭いてあげるといいでしょう。
体温調節のしやすい洋服にする
赤ちゃんは体温変化が激しく外気温や室温に体温が左右されやすいため体温調整のしやすい服装をさせることも大切です。
お布団やシーツにも気を配る
赤ちゃんは寝ている時に汗をかいやすいです。吸水性に優れた生地のベビー服や吸湿性のあるお布団やシーツなどを選ぶのがおすすめです。
室内の温度調節をしっかりする
また、エアコンや扇風機を上手に使って快適な湿度と室温を保ちましょう。
保湿ケアを怠らない
またお風呂上りはしっかりと体をふきある程度体温を下げてからベビーローションやベビーパウダーなどの対策グッズを使用しスキンケアをしましょう。桃の葉ローションは肌への刺激も少なく赤ちゃんのあせも対策には効果が期待できます。
まとめ
今回は赤ちゃんにできるあせも(汗疹)についてご紹介しました。赤ちゃんの時期に起こるあせもは、乳幼児期なら誰でも一度は経験するため珍しいものではありませんが、わが子に起こるとやっぱり心配ですよね。症状がひどい場合や長引きそうであれば病院を受診して適切なケアをして行きましょう!