赤ちゃんの人見知り

 

「友人宅の玄関に入った途端、娘が泣き出してしまった」

「久しぶりに会った祖父母に抱かれた途端、ぎゃん泣きした」

 

子育ての中でもパパやママたちの頭を悩ませる「人見知り」。赤ちゃんの脳の発達によって生じる成長過程の一つだとはわかっていても、赤ちゃんが大泣きする姿を前にすると「どうにかしたい」と思ってしまいますよね。

 

人見知りの時期や程度は赤ちゃんによって様々。全員に効果的な対処法など存在しません。しかし、大人でも初めて会う人の前でシャイな気持ちになる事はありますよね。今回は赤ちゃんの気持ちを想像しながら、赤ちゃんの人見知りにどう対処していくのが良いのか考えてみます。

 

赤ちゃんの人見知りとは?

赤ちゃんの人見知り

人見知りについてコトバンクで調べてみると、ブリタニカ国際大百科事典から引用された以下の説明文を見つける事ができました。

 

 

Q.赤ちゃんの人見知りってなに?
A.知らない人への不安の現れ

 

赤ちゃんは生後6ヶ月ごろになると、人の顔や声、においなど感じとることができるようになります。よって知っている人の知らない人の違いがわかるようになり、いつも一緒にいるママやパパだと安心し、知らない人に対して不安や恐怖心の現れで泣いてしまうことがあるのです。

 

生後6ヵ月頃から始まる、見慣れない者が近づくと微笑を示さなくなり、さらに恐れを示すようになる反応。乳児は生後2~3ヵ月から5ヵ月頃までは誰にでも、近づいてくる顔を認めると微笑反応を示すが、6ヵ月頃から見慣れた者と見慣れない者の顔を見分けるようになり、見知らぬ人が近づいたり、抱こうと手を伸ばしたりすると顔をそむけたり、泣き出したり、母親にしがみついたりする。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

 

 

Q.いつからいつまで続く?
A.生後6ヶ月ごろ〜1年程度

 

人見知りの時期は、大体生後6か月頃から始まり、1年から2~3年続くというのが一般的だという事。そして、赤ちゃんが人見知りするのは、情緒の発達によるものなのですね。

 

これは見慣れない者に対する恐れの情緒が発達してきたためと考えられ、人に対すると同時に見慣れない場所に対しても同様の恐れを示す。人見知りは8ヵ月頃から激しくなり、1年近くで消えるものであるが、環境によっては2~3年も続くことがある。養育者が多数で交代するような環境では人見知りの出現が遅れたり、現れないこともある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

 

 

ママライターの体験エピソード① 長男の場合

長男の場合

では実際の赤ちゃんの人見知りとはどんなものなのか?モデルケースとして、我が家の例をご紹介します。

 

我が家の長男はとにかくワンパクでお調子者。半年の頃から保育園に通っている事もあり、赤ちゃんの頃から社交的でした。しかし、そんな長男も1歳の誕生日を迎えた直後から人見知りがスタート。毎朝保育園に預ける時もわんわん泣くようになりました。

 

そんな長男の人見知りのピークは1歳3か月頃。ちょうどお正月に実家へ帰省したのと同時期でした。久々に会ったおじいちゃんとおばあちゃんに抱っこされた途端大泣きしてしまい、さらに親戚一同に囲まれて緊張度マックス。ひと時も私の膝の上から離れず、滞在中の数日間、私は自由に身動きが取れない状態になっていました。

 

私が息子の人見知りのために動けないので、仕方なく夫にアレコレとお願い事をしていたら、実父から「夫君も大変だね」と一言。父としては義理実家に来てまで嫁の尻に敷かれている夫に対して気遣いを見せたつもりのようでしたが、息子の人見知りでストレス状態の私にはそれを受け流す心の余裕はありませんでした。プツンとキレて思わず「だったらお父さんがやってよ!!!」と強い口調で父を責めてしまいました。

 

しかしそんな長男も1歳半になる事には、ほとんど人見知りもせず、それまで以上に活発に動き回るように。5歳になった今は、あの時のストレスは何だったんだろうという程の厚かましさで、人見知りとは無縁の人生を送っています。

 

 

ママライターの体験エピソード② 次男の場合

次男の場合

長男の赤ちゃん返りが激しかったせいか、我が家の次男は日ごろからパパと過ごす時間が長く、私よりも夫になつく赤ちゃんでした。長男と同じように1歳前後から人見知りが始まりましたが、長男と違った点は、夫から離れなかったという事。これは、妻である私にとってはかなりメリットが大きかったです。

 

同じようにまだ人見知りが激しい時期に夫婦それぞれの実家へ帰省したのですが、どちらの場合も夫の膝に置いておけば問題なし。私自身はかなり身軽に動く事ができたので、長男の時程ストレスを感じる事なく人見知り期間を過ごすことができました。(私は。)

 

盲点だったのはその後です。なんと、次男はその後イヤイヤ期の到来を先取りする形で「ママじゃないとダメ」期に突入。長男がすでに人見知りを克服していた1歳半から2歳くらいの間、私の側をひと時も離れない時期がありました。人見知りと後追いとイヤイヤ期をくっつけたような第二の人見知り期。人見知りは一回で終わるというわけではないのだなと痛感しました。

  

 

人見知りだけじゃない!?場所見知りやパパ見知りとは?

場所見知り

普段行かないような場所を訪問すると、入るのを嫌がったり、興奮して泣いてしまったりする「場所見知り」をする子もいます。また、「パパ見知り」というのは、パパに対して赤ちゃんが人見知りしてしまう事。日常的に赤ちゃんと触れ合う頻度が少ないパパや、散髪したりメガネからコンタクトに変えたりというように急に容姿が変わったパパに多いようです。

 

 

赤ちゃんのギャン泣きをどうにかしたい!人見知りの対策とは?

 

どんな人見知りも治してしまうような万能薬はありません。しかし、程度こそ違いますが、人見知りは大人にも理解が出来る心境ですよね。初めての人に会ったり、初めての場所に行ったりする時のことを想像しながら、パターン別に対処法を考えてみます。

 

 

  初めて会う人を怖がる

 

初めて会う人や久しぶりに会う人を怖がるのは人見知りの典型的なパターン。大人でも初めて会う人がいきなりスキンシップを取ってきたら警戒しますよね。「赤ちゃんだから」と軽く考えず、大人同士の付き合いのように時間をかけて距離感を縮めていくのが得策です。

 

また、ママがその相手を信頼している様子を赤ちゃんに見せるのも効果的です。ママにとって大事な人だという事が赤ちゃんに伝われば、赤ちゃんも徐々に心を開いてくれる場合があります。

 

前向き抱っこもおすすめです。その相手に赤ちゃんの後ろ側に回ってもらい、赤ちゃんが前を向くような形で抱っこしてもらいます。赤ちゃんの視界にはママしか見えないような状況を作れば、赤ちゃんも安心しますよ。

 

 

 

  パパ見知り

 

普段から触れ合いを大切にするというのが一番大切ですが、仕事の都合でなかなか難しい場合もありますよね。パパ見知りされても、休みの日には根気強く触れ合う時間を持つ事が大事でしょう。

 

少々強引ですが、赤ちゃんとパパだけの時間を作ってみても良いですね。ママという絶対的な保護者がいない状況の中では、赤ちゃんにとってパパが一番信頼できる人になります。そうなると、不思議とパパとのコミュニケーションがうまくいく場合もあります。

 

散髪やメガネでパパ見知りされる場合は、小道具に頼りましょう。散髪したのであれば帽子で髪の毛を隠してみたり、お布団をかぶってみたり。メガネからコンタクトに変えたのであれば、前使っていたメガネをかけてみたり、いないいないばあで遊んでみたり。何度も繰り返せば、赤ちゃんもすぐにパパだと理解してくれますよ。

 

 

  泣き止まない

 

人見知りが原因で赤ちゃんの癇癪にスイッチが入ってしまい、どうしても泣き止まない場合もあります。まずは音のでるおもちゃやおやつ、外気浴などで気をそらす作戦を実行してみましょう。

 

それでも難しい場合は、ひとまず誰もいない静かな場所で、部屋の明かりを少し暗くして安心させます。ママは子守歌を歌ってあげたり、静かに語りかけたりして、とにかく赤ちゃんの興奮した気持ちを落ち着かせる事に専念してみます。上手くいけばお昼寝してくれるかもしれません。

 

 

  場所見知り

 

新しい場所に馴染むのが苦手な赤ちゃんには、赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを持参。ぬいぐるみやトミカなどを「赤ちゃんの仲間」というイメージで連れて行きます。おもちゃであっても仲間が側にいると心強いものです。

児童館では、午前中に赤ちゃん向けの時間設けている所があるので、チャレンジしてみると良いかもしれません。トミカやプラレールなどのおもちゃも無料で貸し出ししてくれます。 

現場で足が止まってしまった場合は、けんけんぱや電車ごっこなどの遊びをしながら入口まで誘導するという手もあります。遊びに夢中になって知らないうちに入口を突破してしまうというパターンです。

  

 

まとめ

赤ちゃんが人見知りで泣いてしまうと、「泣き止ませなければ!」と不安に感じるパパママも多いかもしれません。しかし、赤ちゃんの人見知りは成長過程の一つ。情緒が発達する上で自然に起こる反応です。

 

人見知りが激しい赤ちゃんに対しては、大人とコミュニケーションを取る気持ちで最大限の気遣いを見せてあげると、多少改善する場合もあります。今回ご紹介したような対処法を試していただき、赤ちゃんの人見知り期を乗り切りましょう。保育士さんや先輩ママにもアドバイスをもらってみると良いもしれませんね。